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スーパーに並んだ卵

 農林水産省は22日、北海道白老町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたと発表した。国内の養鶏場での発生は今季初めて。長引く流行の影響により、卵の価格はすでに過去最高水準で、専門家は需要が高まる年末にかけて高値が続く可能性を指摘する。

 農水省によると、22日に遺伝子検査で陽性を確認。防疫措置のため、北海道は養鶏場で飼育していた採卵鶏約45万9千羽の殺処分などを始めた。

 鳥インフルエンザの流行は、卵の価格に直結する。卵の卸売価格の目安となるJA全農たまごが公表する東京地区のMサイズ1キロあたりの平均価格は325円(22日現在)。鳥インフルエンザが大流行し、「エッグショック」と言われた2023年の同時期と比べ、すでに40円近く高い。

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卵相場の価格推移

 昨季は過去3番目に多い51件の感染が確認され、約932万羽(うち採卵鶏は約840万羽)が殺処分された。昨年2月時点の採卵鶏の養鶏農家は1640戸、飼育羽数は約1億6850万羽と、生産能力の低下も指摘される。

 東京農業大元教授で養鶏産業に詳しい信岡誠治さんは「(エッグショックの)シーズンの影響から回復しきれないまま、大規模発生が続いている。おでんやクリスマスなどの需要のピークはこれから。しばらく高値は続く」と話す。

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