正倉院正倉(国宝、奈良市雑司町)が11月1~3日、特別公開される。通常は約20メートル離れた場所からの公開だが、この3日間は建物のそばに近づくことができる。宮内庁正倉院事務所によると、一般の人が正倉の近くまで立ち入れるのは、修理現場の公開を除いて明治時代以降で初めて。見学コースが10月31日、報道関係者に公開された。

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 正倉は元は東大寺の倉。756年、聖武天皇の遺愛品を光明皇后が献納した前後に建てられ、木材を井桁状に組んだ「校倉(あぜくら)造り」の建物として有名だ。保管されていた宝物の多くは現在、昭和時代に建てられた東宝庫、西宝庫に移されている。

 特別公開では写真撮影も可能。正倉の周りを一周できるほか、指定のコースに従って東西宝庫や経典を保管していた聖語蔵(鎌倉時代)の近くにも行ける。建物の中や床下には入れない。正倉で使われていた奈良~平成時代の瓦も展示される。

 「万博イヤー」の特別企画で、同事務所は「長年の風雨に耐えた木材の様子も間近で見て欲しい」としている。3日とも午前10時~午後3時半(最終退場午後4時)。申し込み不要、入場無料。問い合わせは同事務所(0742・26・2811)へ。

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