四方を校舎に囲まれた広い中庭が特徴の新校舎=北九州市小倉北区で2025年11月21日午後2時44分、山下智恵撮影

 知的障害のある児童生徒が通う特別支援学校2校が併設された新校舎が北九州市小倉北区に完成した。特別支援学校の校舎が同じ場所に2校併設されるのは県内初という。2026年から使用される。

 新校舎は小中高生が学ぶ「市立小倉北特別支援学校」(小倉北区)と、障害が軽度な高校生が一般企業への就労を目指す「市立北九州中央高等学園」(戸畑区)が渡り廊下でつなげる形で併設された。倉庫での作業を学ぶ物流室や食品加工室など就労教育施設を強化した。2校が併設され、児童生徒同士の交流や教員の専門知識の強化などを図る。

 特別支援学校は全国的に生徒数が増加傾向にある。今年度、小倉北特別支援学校では学級数43に対し特別教室などを仕切っても9教室が足りない状況だった。新校舎では教室の不足が解消される見込みとなった。中央高等学園も作業室が不足していた。それぞれの校舎も老朽化が進んでいたことから、市が約70億円かけ新校舎を建設した。

真新しい校舎の広々とした教室を見学して喜ぶ小倉北特別支援学校の生徒たち=北九州市小倉北区で2025年11月20日午後3時32分、山下智恵撮影

 20日にあった落成記念式典では両校の生徒らがテープカットし、双方の校歌を歌い完成を祝った。小倉北特別支援学校高等部3年の高津晴美さん(18)は「広い教室での運動や展示即売会での他校との交流ができるのがすごい。新校舎に来るのが楽しみ」と話した。

 校舎は小倉北特別支援学校が26年1月から、北九州中央高等学園が同4月から利用が始まる。【山下智恵】

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