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<クリスマスプレゼントにも最適。心理学や幼児教育の専門家がオススメする、男子の情緒的な成長を促す本とは?──>
女性を尊重する男の子を育てることは、ジェンダー平等や健全な人間関係をめぐる広い文化的対話の一部として、ますます重要なテーマになっている。
研究によると、幼児期の読書は子供の社会的・情緒的発達に明確な影響を与える。
今年、2000人以上の子供を対象にしたメタ分析では、絵本の読み聞かせは、他者の立場を理解する力や感情理解など「共感」に関連するスキルの向上と関連しており、とくに大人が積極的に関わる読み方で効果が高まると示された。
また、心理学、言語療法、出版、幼児教育といった領域の専門家たちは、適切な本が男の子の情緒的な成長を促し、他者を大切にする人間へと導く手助けになる、という共通の見方を示している。
1.『ぼくは にんげん』スーザン・ヴェルデ著
スーザン・ヴェルデ[著] 新評論[刊]
臨床心理士クリスタル・カスタニョッツィは、出発点として強い力を持つ本として『ぼくは にんげん: おもいやりってだいじだね』を挙げている。
感情や社会性を題材にしたシリーズの1冊で、この本は人間に共通する感情や経験を中心に据えている。
「この本が意義深いのは、健全な関係を育み、人間らしさをどう体現すべきかという点にしっかり焦点を当てているからです」とカスタニョッツィは本誌に語っている。
2.『しあわせのバケツ』キャロル・マックラウド著
キャロル・マックラウド[著] TOブックス[刊]
セラピーサービスを運営するローラ・トッドによれば、子供の共感力を育てることは最重要テーマだ。マックラウドの作品は、「バケツを満たす」という比喩を使い、親切な行動を子供にもわかりやすく可視化している。
トッドは本誌に対し、このコンセプトが幼児から年長の子供まで幅広い年齢に対応しており、「他者を思いやることは継続的な実践である」という考えを強化してくれると評価した。
「この本は『親切にする』『助ける』『誰かを気遣う』という考え方を、子供にわかりやすい形で具体化してくれるんです」
3.『What Do You Do With an Idea?』コビ・ヤマダ著
コビ・ヤマダ[著] コンペンディアム[刊]
神経発達の多様性を専門とするセラピストのポリーナ・シュカドロンは、日系人絵本作家コビ・ヤマダの内省的な三部作――『What Do You Do With an Idea?』『What Do You Do With a Problem?』『What Do You Do With a Chance?』――を推奨している。
これらの本は、比喩を豊かに用いた物語を通して、問題解決、自信の揺らぎ、勇気といったテーマをやさしく描いており、男の子が助けを求めることの自然さや、自分以外の視点を尊重する姿勢、自信と同時に自己理解を育てることの大切さを学べる内容になっている。
「私たちが『アイデアを否定されるかもしれない』と恐れるときに何が起きるのか、そして挑戦に向き合う方法や、自分を信じて一歩踏み出すために何ができるのかが描かれています」
4.『The Tale of Tommy Tomlinson's Tennis Shoes』キャリー・E・ピアース著
キャリー・E・ピアース[著] モーガン・ピアース・メディア&パブリッシング[刊]
モーガン・ピアース・メディア&パブリッシングのディレクター、サンドラ・モーガンは、この本が「敬意を教えるための自然な入り口になる」と本誌に語る。
恐れや友情、成長を描く物語を通じて、若い読者は日常の選択の積み重ねによって、主人公の少年が共感や自己理解を身につけていく様子を追うことができる。
「物語の中心にあるのは、思いやりや責任感、相手への配慮といった普遍的な特性です。だからこそ、男の子が日常生活の中でどう『敬意』を示すかについて、保護者や教育者が話を始めやすいんです」
5.『Dibs the Dragon and the Marshmallow Rescue』エリー・モス著
エリー・モス[著] リキティポップ・プレス[刊]
本作の主人公ディブスの強さは「支配」ではなく「助けること」にある。エリー・モスはこの物語で「勇気」を新たに捉え直した。
ディブスが怯える友達の声に耳を傾け、自分自身の不安とも向き合っていく過程を通して、子供は共感力、情緒の理解、協力といった力がどのように働くのかを目にすることができる。
モスは本誌にこう語る。「本当に効果のある絵本は、男の子に『女性を尊重しなさい』と説教するものではありません。親切さや共感、協力といった価値を、男の子のキャラクターが『その人物を形づくる土台』として体現している作品なんです」
「男の子が、冒険や勇気、友情の中でこうした行動を『モデル』として見ることで、それらを自然に自分の中に取り入れていくんです」
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