文部科学省=東京都千代田区で、石田奈津子撮影

 第1志望の合格発表前に滑り止めの大学などに入学金を納める「二重払い」について、文部科学省が求める受験生の負担軽減策に2026年春に対応するのは全国の私立大と短大の1割にとどまった。文科省が25日に公表した調査結果で判明した。

 二重払いを巡っては、入学しない大学に入学金を払うことが受験生の負担となっており、家庭の経済状況によっては受験機会の格差につながるとの指摘があった。こうした声を受け文科省は6月、金額の抑制や納付締め切りを複数回設定することなど、受験生の負担軽減を求める通知を出した。

 調査は私立大604校、短期大232校の計836校を対象に初めて実施。11月末時点での対応状況について尋ね、全校から回答を得た。

 「負担軽減策を講ずる」(検討中も含む)とした大学は210校。このうち26年春に対応するとしたのは83校で、ほかは27年春から対応予定や時期未定だった。一方で「現時点で対応する予定はない」が176校、「対応するか否か検討中」は357校に上った。

 26年春の具体的な対応方法は「入学金の納付期限を遅らせる」が39校で最多。「入学辞退の意思表示の時期によって入学金の全部または一部を返還するなどの対応」が25校と続いた。負担軽減を進める上での課題は「入学辞退に伴う入学者確保や、合格者の数の決定への影響」が464校で最多だった。

 文科省の担当者は「負担軽減の取り組みが一定程度進んでいる」との見方を示した。【木原真希】

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