山口大学の授業料値上げの問題点を指摘する中村悠璃さん=山口市滝町の山口県庁で2025年12月23日午後2時17分、藤田宰司撮影

 山口大学(山口市)が2026年度以降の入学生の授業料値上げを公表する前に総合型選抜を受験して合格した高校3年生の父親が23日、県庁で記者会見し「授業料は進学先を選ぶ重要な要素の一つ。値上げを知らずに出願した受験生らに連絡はなく、入試のさなかに値上げを公表する進め方は乱暴で稚拙に感じる」と訴えた。

 山口大は9月25日、授業料改定を進めることを知らせる谷沢幸生学長メッセージをホームページで公表。10月30日、年間授業料を20%値上げして64万2960円とする決定を発表した。

 会見した父親の子供は学長メッセージ公表前の9月13日に総合型選抜の1次試験を合格。9月28、29日に2次試験を受けて11月4日合格した。

 父親が学長メッセージを知ったのは10月中旬で、10月30日の値上げ発表は報道と大学ホームページで知ったといい、値上げについての個別連絡は合格発表後に届いた入学手続き書類にあったお知らせが初めてだった。

 父親は「子供は『山口大のあの教授に学びたい』と頑張ってきたが、値上げは親にとって寝耳に水。10万円を超える負担増は簡単なことではない。重要なことは直接連絡すべきで、大学の対応に不信感を抱いている」と話した。

 記者会見には「学費値上げに反対する学生有志の会」代表の人文学部4年、中村悠璃(ゆうり)さん(22)が同席し「国の補正予算で山口大にも運営費交付金が配分されるようで、改めて値上げの見直しを検討してほしい」と求めた。【藤田宰司】

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