国立がん研究センターなどの国際チームが、世界44の国・地域で2000~17年に診断された若年発症がんの動向を分析した結果、日本では子宮体がんと子宮頸(けい)がんの罹患(りかん)率と死亡率がともに増加していることが分かりました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「日本の若い女性に増える子宮がん」について解説します。
Q 日本の若い女性で子宮がんが増えているって聞いたよ。どのくらい増えているの?
A 2000~17年の間に、日本では子宮体がんと子宮頸がんの罹患率(新しくかかる人の割合)と死亡率(亡くなる人の割合)が両方とも増えていました。
Q 他の国でも同じなの?
A 子宮体がんは日本やアメリカ、韓国などでも増えています。子宮頸がんは、日本だけが罹患率と死亡率の両方が上昇していました。ただし死亡率のデータがない地域もあり、専門家は「今回の研究のみで、日本だけで罹患率と死亡率がともに上昇したと言い切ることはできない」と説明しています。
Q どうして日本では子宮頸がんが増えているのかな。
A ヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種率が低いことや、検診を受ける人が少ないことなどが考えられています。
Q HPVってなんだっけ。
A HPVは、子宮頸がんの主な原因となるウイルスです。ワクチンで感染を防ぐことができます。
Q ワクチンの積極的勧奨が2013年に控えられた影響はあるの?
A 今回のデータは2017年までなので、その影響は考えにくいとされています。
Q 子宮体がんが増えている理由は何かな。
A 食生活の欧米化や肥満、少子化などに伴う女性ホルモンの影響などが一因と考えられています。
Q 今後も若年発症がんの動向分析は続けるの?
A 研究チームは背景について「さらなる検討が必要」と話しています。
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