兵庫県宝塚市は市立病院(小浜4)に、最新型の手術支援ロボット「Da Vinci 5(ダ・ビンチ ファイブ)」を県内で初めて導入した。購入費用の4億円は、病院建て替えに約250億円を寄付した市内在住の高齢夫婦が寄付した。2026年から使用を始める予定。
同病院では手術支援ロボットは前立腺や大腸のがん手術などに使用される。同病院は開腹手術に比べて傷口が小さくなるとし、出血が少ない▽手術後の痛みが軽減▽回復が早く入院期間が短い――などのメリットがあると説明する。
最新型では4本のアームの動きがより繊細になり、糸を結ぶ際などの微妙な力加減が可能になるという。AI(人工知能)を駆使し、画像の解像度も向上している。
手術支援ロボを使えば、例えば骨盤など人の手が入りにくい部位に、人の手では曲げられない角度でデジタル技術の支援を受けながら“四つの手”で施術ができる。また、一つ一つの動きをデータとして蓄積できることで外科手術の「見える化」につながる。
同病院には現在、ロボを扱う資格を持つ医師が2人おり、2026年から泌尿器科、外科の大腸がん手術などに使う予定。同年4月から再開する婦人科の手術でも活用していく方針で、年間100~200例の施術をめざす。
購入費を寄付した元会社役員の岡本光一さん(78)と妻明美さん(76)の夫婦は「一市民として、より良い医療が提供され、高齢になっても市民が安心して暮らし続けられる宝塚市になることを期待しています」とのコメントを寄せた。
小児科医でもある森臨太郎市長は「地域の二次救急病院としての機能を基本に、がん治療の専門拠点病院としも市民の命に寄り添いたい」と期待する。【関谷徳】
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