「恵幸川鍋で年越しを」と呼び掛ける日向さん=加古川市加古川町で2025年12月18日、村元展也撮影

 兵庫県加古川市加古川町の国宝・鶴林寺と同市東神吉町の常楽寺で大みそかの夜、同市のご当地鍋「恵幸川鍋(えこがわなべ)」が振る舞われる。約15年前に生まれた恵幸川鍋が年越し行事に登場するのは初めてで、普及に努める市民グループは「多くの人に味わってもらうきっかけになりそう」と期待を込める。

 恵幸川鍋は2011年、市役所の自主研究グループが考案。市内唯一の酒蔵・岡田本家の銘酒「盛典」の酒粕(さけかす)と、400年以上続く市内の食品製造会社「高松清太夫老舗」の味噌(みそ)、地元の旬の野菜を使うことが決まりで、コクのある甘味とうまみが特徴。地産地消の鍋物としてイベントに出店したり、飲食店に提供を呼び掛けたりしてきた。

 19年に「ニッポン全国鍋グランプリ」で優秀賞(4位)に。同年、市職員や飲食店主らによるNPO法人「加古川『恵幸川グルメ』プロジェクト」が発足。現在、市内の約10店舗で鍋やアレンジメニューが提供されている。

 今年、鶴林寺から同会に「年越し恒例の甘酒の代わりに恵幸川鍋を振る舞ってもらえないか」と声がかかったことをきっかけに、常楽寺にも協力を依頼。鶴林寺では31日午後10時半から約300食、常楽寺では同11時ごろから約50食を振る舞う。

 メンバーの飲食店主、日向高一さんは「恵幸川鍋は自由にアレンジできるのが魅力。大みそかは白菜、ニンジン、さつまいも、かぼちゃなど野菜たっぷりの鍋を用意します」と腕によりをかける。【村元展也】

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