万博イヤーもいよいよ終わります。今年4月から10月に開催された大阪・関西万博は、予想を上回る盛況のうちに幕を閉じました。ミャクミャク像が会場跡地から撤去され、パビリオンの解体も進む中、万博の名残は街の中にまだ息づいています。どんなレガシー(遺産)が残り、次世代に受け継がれていくのか――。万博で生まれたキラキラ光る夢のかけらの手掛かりをまとめました。

にぎわい去った会場跡地、パビリオン解体惜しむ声

会期中いつも記念写真の行列ができていたミャクミャク像も撤去され、会場跡地は日ごとに「夢の跡」になっています。パビリオン解体の様子を伝えたSNS投稿には、「夢の国が無くなってしまう」などと、寂しさのにじむコメントも見られました。大屋根リングの木材も含め、いくつかの展示物は日本各地に移設され、万博の余韻を振りまいています。

  • ・大阪万博閉幕後の会場を歩く 進む撤去作業、寂しさ漂う祭りの後
  • ・大阪万博閉幕1週間、パビリオンの解体作業が本格化「次のステップへ」
  • ・大阪万博レガシーの行方は 展示物は日本各地に、記念館構想は見えず

想定超す経済効果、グッズやグルメは閉幕後も

政府の成果報告案によると、万博の経済波及効果は3.6兆円となり、開幕前の試算を7000億円上回りました。その原動力の一つがグッズ販売。ミャクミャクグッズは閉幕後も売れ行き好調で、オフィシャルストアには多くの人が訪れています。会場で提供されていた世界の名物料理と再会できるレストランもあります。

  • ・大阪万博、会場起点に国際ビジネス創出 政府が成果報告案
  • ・ミャクミャク大躍進 大阪・関西万博、来場者2500万人熱狂の実像
  • ・動画で巡るアフター万博グルメ パフェやエッグタルトにファン集う

パビリオンの未来技術、街に広がる

万博で提案された技術やサービスが、早くも街に広がっていきつつあります。11月には、大阪ヘルスケアパビリオンで好評だった「カラダ測定ポッド」を商用化したサービスがJR大阪駅構内などでスタート。シグネチャーパビリオン「いのちの未来」のアンドロイドが、けいはんな学研都市の施設で研究に活用されるなど、新技術が着々と次世代に引き継がれています。

  • ・大阪万博の未来技術、さあ街へ カラダ測定やペロブスカイト太陽電池
  • ・未来の移動手段は「野獣」? 神戸企業、大阪万博のビジョン実現挑む
  • ・大阪万博のアンドロイド、京都・けいはんなで実証継続 石黒館から転職

膨らむ「跡地利用」構想、次の夢舞台に

会場跡地に隣接する大阪湾沿いのベイエリアは、日本初のカジノを含む統合型リゾート(IR)開業を2030年に予定しています。「世界クラスのウオーターパーク」などを整備する案があり、年3000万人が訪れる国際エンターテインメント拠点を目指します。万博で花開いた夢舞台の次のステップに期待が高まります。

  • ・大阪万博会場の夢洲、閉幕後は速やかに再開発 成長託す「聖地」に
  • ・大阪IRを待ち受ける4つのハードル 脱カジノ偏重へエンタメ充実を

キラキラの思い出、ビジュアルにもう一度

184日間にわたり、次世代の技術や社会のあり方を示した万博。40あまりの海外パビリオンは、音楽や食を通じて人々が世界の文化に触れる交流拠点ともなりました。あの日に出合った熱気と興奮、キラキラの思い出をもう一度――。にぎわいに満ちた会場の光景と、人気を博したミャクミャクの歩みもあわせて、ビジュアルに振り返ってみてはいかがでしょうか。

  • ・大阪万博閉幕へ 暑かった!感動した!184日間を振り返る
  • ・写真から考える大阪万博 夕焼けの大屋根リングや来場者のマナー
  • ・ミャクミャクが駆け抜けた大阪万博 誕生3年、人気はファンとともに

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