写真はイメージ=ゲッティ

 東京商工リサーチによると、2025年の介護事業者の倒産は176件(負債1000万円以上)で、2年連続で過去最多を更新した。業種では、訪問介護の91件が特に多く、全体の件数を押し上げたほか、認知症グループホームでも過去最多となった。人手不足で利用者を十分に受け入れられていないことが売り上げに影響し、物価高によるコスト増も経営を圧迫したとみられる。

 倒産理由で最も多かったのは、売り上げ不振の140件。求人難など、人手不足関連の倒産は過去最多となる29件だった。売り上げ不振は人手不足が原因となることがあり、賃金水準が他産業と比べて低く、人手不足が深刻な介護業界の課題が顕在化した形だ。

 業種別では、デイサービスなどの「通所・短期入所」が45件、「有料老人ホーム」は16件だった。いずれも前年から減少したが、それぞれ過去3番目、過去2番目と高い水準が続いている。認知症グループホームは前年の2件から9件に急増した。事業者の従業員数別でみると、10人未満が142件で80・6%を占め、小規模事業者の厳しい経営状況が浮かんだ。

 東京商工リサーチは、人員確保や物価高などへの対応は事業者の自助努力では追いつかないとして、「26年も高水準の倒産件数が続く可能性が高い」と分析。「介護報酬の引き上げや、小規模事業者も生産性向上ができるような支援が必要だ」と指摘している。【寺原多恵子】

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