オートミールの集中摂取とカロリー制限が健康リスクを下げるのに効果的との研究結果が VLADISLAV NOSEEK/SHUTTERSTOCK
<たった2日で効果は約6週間続く「悪玉」を減らし善玉菌を増やす驚異のパワー>
▼目次
効果が続く理由は「腸」に
メタボに悩む人に朗報だ。たった2日でコレステロール値を改善し効果が長続きする驚きの研究結果が、今年1月の学術誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
研究論文によれば、独ボン大学の研究チームはメタボリックシンドローム(過剰な体重、高血圧、高血糖、高脂血症などの生活習慣病リスクが複数組み合わさった状態)で糖尿病予備軍の人々を対象に実験を行った。
被験者は2日間、1日3食(水で煮ただけの)オートミールを摂取(トータルで1日約300グラム)。カロリーは通常の約半分に減らした。対照群もカロリーを減らしたがオートミールは食べなかった。
その結果、オートミールを摂取したグループは心臓病との関連が強いLDL(悪玉)コレステロール値がわずか48時間で約10%低下するという顕著な効果が見られた。
体重も平均約2キログラム減少、血圧もわずかに低下した。しかも、通常の食生活に戻って6週間たってもコレステロール値はほぼ安定していた。
コレステロール低下薬には劣るが、手っ取り早さを考えれば「大幅な減少」だと研究チームのマリークリスティーネ・ジーモン教授(栄養・微生物叢学)は指摘する。
LDLコレステロールは血管壁に蓄積しプラーク(こぶ状の塊)を形成する。プラークが破裂すると、血栓、心臓発作、脳卒中を引き起こす恐れがある。LDLコレステロールがわずかに減少するだけでも、長期的な心血管リスクを下げることができる。ただし、今回の研究対象はメタボの人々で、健康な人にも効果があるかどうかは不明だ。
効果が続く理由は「腸」に
LDLコレステロールの低下は、腸内細菌がオートミールを分解する際に生成される化合物、特にフェルラ酸関連の代謝物と密接に関連しており、「このプロセス自体は一般的だが程度に差がある可能性がある」とジーモンは言う。具体的な効果とその範囲や、どんな人に最も効果的かを明らかにするには、健康な人やその他の代謝疾患に研究対象を広げる必要がある。
Reference
Klümpen, L., Mantri, A., Philipps, M., Seel, W., Schlautmann, L., Yaghmour, M. H., Wiemann, V., Stoffel-Wagner, B., Coenen, M., Weinhold, L., Hasenauer, J., Fließwasser, T., Burgdorf, S., Thiele, C., Stehle, P., & Simon, M.-C. (2026). Cholesterol-lowering effects of oats induced by microbially produced phenolic metabolites in metabolic syndrome: A randomized controlled trial. Nature Communications, 17(1), 598. https://doi.org/10.1038/s41467-026-68303-9
◇ ◇ ◇記事の続きはメディアプラットフォーム「note」のニューズウィーク日本版公式アカウントで公開しています。
【note限定公開記事】オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
ニューズウィーク日本版「note」公式アカウント開設のお知らせ
公式サイトで日々公開している無料記事とは異なり、noteでは定期購読会員向けにより選び抜いた国際記事を安定して、継続的に届けていく仕組みを整えています。翻訳記事についても、速報性よりも「読んで深く理解できること」に重きを置いたラインナップを選定。一人でも多くの方に、時間をかけて読む価値のある国際情報を、信頼できる形でお届けしたいと考えています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。