見つかった墓はバイキング時代の墓と見られている(画像はイメージ) Fotokvadrat-shutterstock

<ケンブリッジ大学考古学ユニットが学生と行った訓練発掘中、「普通ではない」埋葬坑が発見された>

英ケンブリッジ近郊のワンドルベリー・カントリーパークで、ケンブリッジ考古学ユニット(CAU)とケンブリッジ大学の学生が訓練発掘中に、9世紀ごろの「戦闘または処刑の後」を示す可能性がある埋葬坑を発見した。

【動画】暴力的な歴史を物語る、発見された埋葬坑

坑の中には、ほぼ全身がそろった4人分の遺骨が横たわっていた。その一方、別の場所には頭蓋骨だけがいくつも集められていたほか、脚骨だけがまとめて重ねられていた。

そして、遺骨は1人ずつ丁寧に葬られていたのではなく、体の部位ごとに分けられた状態で無造作に置かれていた。CAUを率いるオスカー・アルドレッド博士は、このような埋葬状況は「恐ろしい暴力。おそらく処刑」を示唆していると指摘する。


この発見の不気味さは、「戦死者をまとめて葬った」だけでは説明が難しい点だ。

穴は長さ約4メートル、幅約1メートルほどで、若い男性を中心に少なくとも10人分の遺骨が見つかった。遺骨の中には斬首された痕や戦闘による外傷と思われる痕が残っていたものもあったという。

そのため、遺体は通常の方法で埋葬されたものとは考えにくく、処刑や見せしめ、あるいは一時的に遺体をさらした後にまとめて埋められた可能性が指摘されている。

放射性炭素年代測定では、遺骨の一部は8世紀から9世紀にかけてのものという結果も出ており、当時の地域紛争や勢力争いと関連している可能性があるとみられている。

その時代のケンブリッジシャーはマーシア王国の統治者オファの支配下にあったが、874~875年頃にバイキングの一部がケンブリッジ近くに陣取り、町を略奪した。その後、イースト・アングリアのバイキング王国に編入され、デーンロウ協定の一環として10世紀初頭までバイキングの支配下にあった。

ただ、関連する副葬品がないため、これらの遺骨がサクソン人のものなのかバイキングのものなのかを特定するにはさらなる研究が必要だという。

巨人症と思われる人の遺骨も

注目すべきは、穴から見つかった「非常に背の高い」個体だ。身長が当時としては異例に高い約1.95メートル程度と推定されている。

さらに、その遺骨の頭蓋骨には直径約3センチの孔があり、縁に治癒の痕跡があることから、生きているうちに開けられたものだと考えられている。


ケンブリッジ大学ダックワース・コレクションの学芸員、トリッシュ・ビアーズ博士は、四肢の骨の長い幹や骨格の他の部分の独特な特徴から、「この人物には脳下垂体に腫瘍があり、成長ホルモンが過剰に分泌されていた可能性がある」と指摘。「脳内のこのような状態は頭蓋内圧の上昇につながり、頭痛を引き起こしたと考えられる。頭蓋穿孔は、その頭痛を軽減しようとした可能性がある」と、頭蓋骨に空いた穴は、苦痛緩和を目的とした当時の医療行為の結果であった可能性を指摘した。

今後、ケンブリッジ研究チームは、DNA分析などを通じて、遺骨を調査する方針だ。健康状態、血縁関係、祖先のつながりが分かれば、バイキングの遺骨であるかどうか特定できるだろう。

今回の発掘に参加したケンブリッジ大学の学生は、今回の発見について驚きつつ、「発見された遺骨の中には私と同年代の人も数名いた。バラバラになった骨を確認し、どれほどの苦しみを受けたのかを想像すると、心が締め付けられる」と語った。

果たして中世のケンブリッジシャーで一体何があったのだろうか。今後の研究の進展が待たれる。

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