チクングニアウイルスの感染拡大の可能性はあるのか Corona Borealis Studio-shutterstock

<アメリカ疾病対策センターは通常以上の予防策を実践するよう国民に求めている>

アメリカ疾病対策センター(CDC)は2月5日、チクングニアウイルスの流行を受け、セーシェルに向かう米国人に対して渡航警告を発出した。

【動画】顔にまで発疹が...チクングニアウイルスについて知っておくべきこと

警告レベルは4段階中のレベル2(数字が大きくなるほどリスクは大きくなる。レベル2は、通常以上の予防策を実践することを求めている)。CDCは、チクングニアウイルスから身を守るための予防措置を講じるよう求めている。


そして、「チクングニア病はチクングニアウイルスによって引き起こされる。蚊に刺されることで人にも感染する」と、ウイルスを媒介する蚊に注意を払うよう警告している。

チクングニア病は通常、感染した蚊に刺されてから3~7日後に症状が現れる。最も一般的な症状は発熱と関節痛だ。その他の症状として、頭痛、筋肉痛、関節の腫れ、発疹なども挙げられる。

より重症化するリスクがあるのは、出生前後に感染した新生児、65歳以上の人、糖尿病や心疾患などの基礎疾患を持つ人だ。

ただし、CDCは「チクングニア病による死亡は稀だ」とも指摘する。

チクングニアウイルスは世界各地で確認されている。実際、アフリカ、南北アメリカ、アジア、ヨーロッパ、カリブ海地域、さらにインド洋および太平洋の諸国での感染が報告されている。

CDCはチクングニアウイルスの感染拡大を受け、ボリビア、キューバ、スリナム、スリランカへの渡航についてもレベル2の勧告を出している。

「感染した渡航者によって、影響を受けていない地域にウイルスが拡大するリスクがある」

治療法は?

チクングニアウイルスは主に、感染した蚊に刺されることによって人に広がるが、感染者は発症初期の数日間、血中ウイルス量が多いため、その間に蚊によってさらに感染が広がる可能性もある。

血中のウイルス量が多いため、輸血、研究室での感染血液の取り扱い、感染患者からの採血によってもウイルスが広がる可能性がある。

ただ、CDCは「このウイルスは人から人へ直接感染することはない。せき、くしゃみ、接触によっても広がらない」と、ヒトヒト感染の可能性を否定している。


チクングニアウイルス感染症に対する特別な治療法は存在しない。

多くの人は1週間以内に回復するが、CDCは「急性期の後も、数カ月から数年にわたり重度の関節痛が続く場合がある」と警告している。

感染地域に渡航する者は、虫よけ剤を使用すること、長袖シャツや長ズボンを着用すること、エアコンのある場所や窓やドアに網戸がある場所に滞在することによって、蚊に刺されるのを防ぐことで予防可能だ。渡航前にワクチン接種を受けることも可能である。

「(チクングニアウイルスの)流行は起きていない。しかし、米国人渡航者にとってリスクが高まっている地域を訪問またはそのような地域に移住もしくは長期間滞在する予定がある場合、ワクチン接種が検討されることもある」

アメリカでチクングニアウイルスの感染が確認され始めたのはいつ頃から?

CDCによると、2025年にはアメリカ国内でも感染例が報告されている。

2006年以前は、アメリカでチクングニアウイルスの感染が確認されることは稀だったが、2006~2013年には、アメリカで年間平均28人が感染していた。


CDCは、「2013年後半、南北アメリカ大陸における最初のチクングニアウイルスの地域内感染が、カリブ海の国や地域で確認された」と述べている。

2014年以降は、感染が確認された地域から帰国した渡航者からウイルスが検出されている。実際、フロリダ州、テキサス州、プエルトリコ、米領バージン諸島で地域内感染が確認された。

そして、CDCは2015年、「チクングニアが全国的な届出対象疾患となった」ことを発表した。

人類を最も殺している動物は蚊であると言われている。海外に渡航する際は、やはり蚊に刺されないよう注意する必要があるだろう。

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