青森市は16日、積雪により倒壊の危険性が迫っていて隣家や周辺道路に被害を及ぼす可能性があるとして、空き家対策特別措置法(空き家法)に基づく緊急代執行で同市茶屋町の空き家の解体作業を始めた。同市で緊急代執行が実施されるのは初めて。

 2日前までは空き家はまだ形を保っていたが、屋根に積もった雪の重みとみられる形で、解体直前の15日~16日朝にかけて2階部分が一部崩れ落ちた。建材が道路に散乱し、雪の上にタンスが落ちるなど崩壊が一挙に進んだ。

 この空き家は、青森駅から東へ約2キロ、青森市役所にもほど近い市街地の住宅街にある50年前に建てられた木造2階建ての一軒家。14日時点では、降り積もった雪の重みで屋根の中央がへこみ、今にも崩れそうになっていた。2階の窓はひしゃげて鉄枠は外にぶら下がった状態で、ガラスも周囲に散乱するなど一部で崩壊が進んでいた。隣家との隙間は2メートルほどしかなかった。

 この家が空き家状態になっているのを青森市が確認したのは2013年10月。近隣住民からの通報がきっかけだった。青森市は22年3月に特定空き家に認定。所有者に対し、建物の除去を求める勧告などを複数回行ってきたが応じなかったため、通常の行政代執行から一部の手続きを省略する形で行われる緊急代執行に踏み切った。緊急代執行は23年に改正された空き家法に基づくもので、災害や緊急性がある場合に行われる。

 今回の解体費用は数百万円で、青森市は所有者に請求することになる。青森市によると、市内にはこの空き家を含めて16件の特定空き家があるという。

 青森市は今冬、2月上旬に平年の2倍を超える180センチ超の積雪を記録するなど記録的な豪雪に見舞われ、一時は自衛隊の災害派遣部隊が出動する事態となっていた。県豪雪対策本部によると、13日時点で雪害により8人が死亡、199人が負傷している。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。