マルミミゾウのメイと赤ちゃん=安佐動物公園提供
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 安佐動物公園(広島市安佐北区)で今月、絶滅の恐れがあるマルミミゾウの雌メイが雄の赤ちゃんを出産した。国内でマルミミゾウを飼育しているのは安佐動物公園だけで、出産は国内初。予定より半月ほど早く生まれたが、順調に育っているという。

 マルミミゾウは、アフリカ中央部から西部の森林地帯に生息し、小型で耳の形が丸い。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでCR(深刻な危機)に分類されている。安佐動物公園によると、安佐動物公園とコートジボワールの動物園でしか飼育されていない。

 メイは推定26歳。2001年、西アフリカのブルキナファソ保護施設から安佐動物公園にやってきた。秋吉台サファリランド(山口県美祢市)から22年6月に移ってきた推定26歳の雄のダイとの間で、23年12月に交尾が確認され、妊娠した。

 担当飼育員の栗原龍太さん(57)によると、野生では群れで生活するゾウは、周囲のゾウを見て出産や育児の仕方を学習するとされている。そのため、「ずっと園の中で育ったメイには手本がいないので、無事にできるか不安だった」と振り返る。

 他の動物園では、出産後に母ゾウが興奮して転がり回ったり、生まれてすぐの赤ちゃんを攻撃してしまったりするケースも報告されているため、栗原さんたちは入念な準備を計画した。

 メイが出産したのは今月5日の明け方。予定より半月早かったため、ゾウ舎に飼育員はいなかった。監視カメラを確認すると、出産直後のメイは少し落ち着きのない様子だったが、赤ちゃんに攻撃するなどの行動は見られなかったという。

 もう一つの懸念だった育児も今のところ順調だ。飼育員が人工のミルクを赤ちゃんに与えようとすると、メイが間に入って守ろうとする様子が見られた。赤ちゃんが乳を飲みやすいように、前側の片足を上げる練習も進んでいる。

 赤ちゃんは日々足取りがしっかりし、水をホースでかけてやるとはしゃいで地面に伏せて遊ぶようにもなったという。

 一般公開の時期は未定。栗原さんは「皆さんにしっかりと見ていただけるようになるにはもう少し日数が必要ですが、公開時はぜひ足を運んでいただき、親子のほほ笑ましい様子を目に焼き付けてください」と話している。【西山夏奈】

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