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<実は警察は「取り締まり場所」を公開している――知らずに速度を出して後悔する前に、事前に確認できる方法と注意すべきポイントを解説する>
「取り締まりをやっていると知っていれば、絶対に加速しなかったのに」――そう悔やんだことがあるドライバーは少なくないはず。じつは警視庁や各都道府県警は、取り締まりの場所や日時をインターネット上で堂々と公開しているって、ご存じでしたか?
警察の取り締り情報を事前に調べる方法、そして来年に迫った法改正により、これまで以上に速度違反に注意してほしいエリアについて解説します。(ライター・プランナー 植村祐介)
ゴールド免許を失うと「損」はどれくらい?
クルマやバイクを運転する人にとって、「交通違反」と無縁なままでいるのは、なかなか困難です。免許を取得してからこれまで一度も交通違反で検挙されていないという人は、純粋なペーパードライバーを除けば、かなりの少数派になるのではないでしょうか。
そんな交通違反のうち、比較的軽微なものは「交通反則通告制度」、つまり"反則切符"により、反則金を納付すれば刑事罰に問われることはありません。
しかしこの反則金以上に"痛い"のが、「優良運転者」の資格を失うことでしょう。優良運転者にはいわゆる"ゴールド免許"が交付され、更新までの有効期限が5年となり、また更新時の講習も短縮版の「優良運転者講習」となります。つまりゴールド免許でなくなると、免許の更新の頻度や更新にかかる時間など、手間が増えてしまうのです。
そして忘れてはならないのが、ゴールド免許でクルマの任意保険料が10~20%程度割り引かれる「ゴールド免許割引」の存在です。
これは免許の有効期間中続くため、いったんゴールド免許から"陥落"すると、人によっては支払う保険料が合計10万円以上も増えてしまうこともあるのです。
「速度違反」だけはなぜ避けにくいのか
このように時間にもお金にも影響する交通違反ですが、違反の種類のうち「一時停止違反」や「横断歩行者等妨害等」「通行区分違反」などについては、日頃から「止まれの標識で確実に止まる」「横断歩行者には道を譲る」「交差点では指定された車線を利用する」などを心がけていれば、反則切符を切られることはほぼなくなります。
しかし"意識するだけ"では避けづらい違反もあります。それは「速度違反」です。
日本の一般道においては、クルマやバイクが法定速度(または指定速度)プラス10~15km/hで流れていることがごくごく日常で、速度違反にならないスピードでは"流れを乱す走行"になりがちです。
とくに信号待ちの先頭から発進したときなどは、法定速度や指定速度に達した段階で加速を止めるのは、かなり勇気のいる行動でしょう。
そうやって後続車に気を使いつつ走ったとき、たまたま速度違反取り締まりに遭遇すると、先頭を走る"自分だけ"が検挙されるという損な役回りを演じてしまい、「ここで取り締まりをやっていることを知っていれば、我慢してでも加速しなかったのに」と後悔することになりかねないのです。
警察が「取り締まり情報」を自ら公開している
では、実際に「取り締まりをやっていることを事前に知ること」は不可能なのでしょうか。あまり知られていませんが、実は交通取り締まりの場所や時間については、警視庁や各道府県警がインターネットを通じて情報を公開しています。そして「都道府県名+公開取り締まり」というキーワードで検索すれば、容易にその情報を得ることができるのです。
たとえば東京都については、「東京 公開取り締まり」などと検索すると「公開交通取締り―警視庁ホームページ」がヒットします。このページでは、毎月「主な取締内容と理由」と題し、「速度違反の取り締まり」「重点取り締まり場所での取り締まり」「横断歩行者妨害違反の取り締まり」などについて、日時・場所が公開されています。

速度違反の取り締まりについては、このページからリンクされた「速度取り締まり実施場所一覧」というPDFファイルで、行政区(区市)ごとに取り締まりを実施する通りの名前(国道名や通称名)と大まかな住所が、一覧表の形式で示されています。
そのため出かける前に、これから自分が通るであろう行政区のPDFファイルを開き、記された通りの名前や住所の周辺だけでも法定速度(もしくは指定速度)をしっかり守るようにすれば、速度違反で検挙される可能性はかなり低くなるのです。
さらに通りの名前や住所と「ねずみ捕り」といったキーワードで検索すれば、より具体的な地点を紹介する動画やウェブページが見つかることもあります。
大阪府警も公開中~ただし情報の鮮度には注意
大阪府警でも同様に情報を公開しています。「大阪 公開取り締まり」で検索して出てくる「各警察署等の速度取り締まり指針一覧」のページでは、大阪府内の各警察署での「速度取り締まり重点」について紹介し、なかには取り締まりを実施する交差点名など、より細かい情報に言及しているものもあります。
ただ警視庁が速度取り締まり実施場所を月次の資料としているのに対し、大阪府警では各警察署ごとにページに記されたタイムスタンプが異なっており、それが数年前というものもあります。
しかし速度違反の取り締まり場所については、違反車両を停車させるスペースや警察車両・白バイの待機スペースなどが必要であることから、おおむね限られた地点となります。そのため、十分に参考になるデータだと考えていいでしょう。
またこれら警視庁および各都道府県警の公開交通取り締まり情報では、速度違反以外の取り締まりについても知ることができます。たとえば警視庁は各警察署ごとに「重点取り締まり場所(一覧・地図)」を公開しています。この地図は該当する地点を丸で囲った大まかなものですが、その地点をGoogleマップのストリートビューなどで確認すると「陸橋やアンダーパスでの進路変更禁止区間」「大きな交差点で車線ごとの進行方向が指定された区間」など、取り締まりの内容を想定することが可能です。
もちろん、そうした場所での進路変更や指定方向外進行は事故につながる危険が大きな行為であり、取り締まりの有無にかかわらず行うべきではありません。しかしこうした情報をあらかじめ知ることで「自分のいる車線だけが渋滞していてもイライラしない」「入る車線を間違えてもいったんその方向に進行し、大回りして元の道に戻る」など、冷静さを保った運転が可能になるでしょう。
速度違反取締りの新兵器?「可搬式オービス」に注意
ただ、速度取り締まりを含め、すべての取り締まり地点が公開されているわけではありません。警視庁および各都道府県警は、これらの公開情報のほかにも必要に応じて取り締まりを行うことを明らかにしているからです。もっとも前述のように、いわゆる"ねずみ捕り"を行う場所はほぼ決まっていることから、速度違反の取り締まりについてはかなりの確率で回避できると思われます。
しかし速度違反の取り締まりについては、近年登場した"新兵器"に注意が必要です。それが可搬式速度違反自動取り締まり装置、通称「可搬式オービス」と呼ばれる装置です。
この可搬式オービスは「少人数の警察官でも運用できる」「取り締まり現場では車両の速度を計測・写真撮影し、その場での停止を求めない運用ができる」という特徴を持ち、これまでの速度違反取り締まりで必要だったスペースの問題を解決しています。

可搬式オービスで速度違反が認定されると、撮影された写真をもとに運転者に警察署への出頭要請が行われ、反則切符が交付されるという流れになります。
2027年法改正で生活道路の法定速度は一律時速30kmに
こうした可搬式オービスは、これまで速度取り締まりが難しかった住宅地の生活道路での運用実績もあります。たとえば指定速度が30km/hの道路では、55km/hの走行でも「25km以上30km未満」の速度超過で違反点数3点が課されます。さらに60km/hの走行では超過が30km以上となり、"一発免停"となる6点が課されるうえ、刑事罰の対象となる「赤切符」となってしまいます。
とくに2027年9月に施行される予定の「改正道路交通法施行令」では、道路標識により最高速度が指定されていない「生活道路」(主に地域住民の日常生活に利用されるような、中央線などがない道路)については、法定速度が一律30km/hに引き下げられます。
この改正にあわせ、これまでのように速度違反の取り締まり場所が公開されるかどうかは、今のところ不明です。しかしこうした生活道路はそもそも交通事故のリスクが高い場所として認識し、法改正や取り締まりの有無にかかわらず"できるだけ安全な速度"で走ることを心がけるべきでしょう。
※当記事は「DIAMOND online」からの転載記事です。元記事はこちら。
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