退屈しすぎはストレスの原因に(写真はイメージです) Steven Van Elk-Unsplash

<室内飼いの猫は、刺激が少な過ぎて病気につながることもある。そうならないためにはどうすべきかを専門家に聞いた>

猫は自立心が強い上に眠っていることが多く、手間がかからない――。そんな風に思われがちだが、実は専門家によると、完全室内飼いの猫は心の刺激が少なすぎることも多い。

刺激が少ない状態が続くと猫は退屈するだけでなく、飼い主が見過ごしてしまいがちな行動問題や健康問題を引き起こすこともある。

シュワルツマン動物病院のアン・ホーエンハウス獣医師は本誌の取材に対し、室内飼いの猫は確かに刺激が足りないことがあると語った。しかしはっきりとした兆候が表れるとは限らないという。

「猫の刺激不足の兆候は、病気の兆候と見分けがつきにくい」(ホーエンハウス医師)

退屈やストレスに関連する行動は、健康に問題がある場合の行動と似ていることもあり、飼い主が見抜くことは難しい。

よくある兆候が普通の行動と思われてしまうことも多い。猫は独立心が強いと思われがちだが、隠れてばかりいる行動はストレスの表れかもしれない。

それ以外にも、猫トイレを使わない、食欲の変化、嘔吐や下痢などの兆候もある。特に、新しい家族が増えたりルーティンが変わったりといった変化がそうした症状を引き起こすことが多い。過度な毛づくろいは退屈さの表れのことも、隠れた健康問題の表れのこともある。

猫の行動専門家のヘザー・アルヴィーは、自分が目にする症例の多くに刺激不足が関係していると語った。猫の反応はトイレの外での排泄や過度な鳴き声、破壊的行動、攻撃性、過剰な毛づくろい、異食症(フード以外のものを食べる)といった行動に表れることがあるという。

猫は手間がかからないという見方に対してもアルヴィーは反論している。猫は寝ていることが多いものの、一日中寝ているのは満足感ではなく退屈の表れかもしれない。

精神的刺激の不足は身体的健康にも影響を及ぼし得る。ホーエンハウスによると、退屈した猫は飼い主に構ってもらおうとして、お腹が空いていると勘違いされることがある。それが餌の与え過ぎにつながって体重が増え、健康問題に結びつく。

「退屈した猫は家族に構ってもらおうとして、食べたがっていると勘違いされる。食べ過ぎで体重が増えれば健康問題が生じる」(ホーエンハウス)

チャール・ボンク医師によると、そうした行動の変化が昂じて猫が破壊的になったり、自分を傷つけたり、トイレ外での排泄による尿路感染症などの疾患を引き起こすこともある。

生活を豊かにすることは必須だとの見方で専門家は一致している。猫は生まれつき狩りをしたり高い所に登ったり探検したりする本能があり、生活環境にはそうした本能を反映させる必要がある。窓辺の居場所や猫タワー、動くおもちゃなどは、そうした外の世界を再現する助けになる。

「ベンガル、アビシニアン、ノルウェージャンフォレストキャットなど、獲物を追いかける本能が強い猫は、その欲求を満たすことができないため、室内飼いで困難が生じることもある。シャム猫のように活発すぎる猫も、運動が十分でなければ問題が起きるかもしれない」

おもちゃを入れ替えたり箱や紙袋などの日用品を利用したりして猫の興味を持続させながら、感覚を刺激するキャットニップやマタタビなどを取り入れることをホーエンハウスは勧めている。

日々の触れ合いは重要だが、どの程度必要かは猫によって違う。ボンクによると、ほとんどの猫は1日30分ほど構ってあげるだけで十分だが、子猫や活発な猫の場合、もっと時間が必要なこともある。特に一匹飼いの猫の場合、飼い主が普段から遊んだり構ったりすることが欠かせない。

外へ出したとしても、必ずしも猫が満足するとは限らないものの、安全に配慮すれば環境を豊かにできる可能性はある。危険を増大させることなく猫を新鮮な空気に触れさせて刺激を増す手段として、ハーネストレーニングをしたり屋外猫ハウスのような空間を設置したりする選択肢もある。

結局のところ、全ての猫が室内飼いに対して同じ反応を示すわけではない。性格や活発さ、過去の経験などによって適応の度合いは異なる。うまく順応できる猫もいれば、ニーズが十分に満たされなければ問題が起きる猫もいる。

単純な工夫で改善できることもある。安全で静かな隠れ場所を与えれば、猫は安心感を感じてリラックスできる。

適切な刺激がなければ室内飼いの猫の世界は閉ざされてしまいかねない。しかし適切な環境と触れ合いがあれば、そうはならずに済む。

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