人気アニメの舞台を回る「聖地巡礼」。高校バスケットボールのアニメ・スラムダンクの聖地とされ、オーバーツーリズム(観光公害)が問題になっている神奈川県鎌倉市の江ノ島電鉄・鎌倉高校前駅の踏切について、鎌倉市は11日、近くの公園に撮影コーナーを設置し、路上にあふれる外国人観光客を公園に誘導する実証実験を始めると発表した。

 13日~16日の4日間行う。12人の市職員と中国語の通訳2人が、駅から降りてきた外国人観光客を公園に誘導し、踏切近くの路上で撮影しないように呼びかける。職員が順番に撮影エリアに案内し、電車が通るタイミングで撮影、交代してもらうという。

 また、公園内にテントをはり、ごみ箱を設置。観光客のごみを受け取り、ごみの量も測定する。

 踏切をめぐっては、周辺の住民から、ごみのポイ捨てなどの外国人観光客のマナー違反に関する苦情が数多く寄せられていた。

市は11日朝、公園の樹木を伐採し、撮影エリアを整備した。市幹部は「観光客の動線を確認することで、無秩序の状態にある踏切周辺の混雑を解消できれば」と話している。

 近くの高校1年生は、「突然、公園の木が伐採されて驚いた。道路にあふれる人がいなくなるかの実験はいいことだが、ファンは踏切のすぐ近くで撮影したいのでは」と話す。駅前のマンションの50代女性は「市公認の撮影コーナーができると、さらに外国人の観光客が増える」と心配している。

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