ラグビー・リーグワン1部の静岡ブルーレヴズが来春、高校生を対象としたユースチーム「静岡ブルーレヴズU18」を立ち上げる。リーグワンのクラブでは初めての試み。将来的には、所属選手らが構成する合同チームで、全国高校ラグビー大会(花園)出場をめざすという。

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 活動は、トップチームが練習拠点として使う「ヤマハ大久保グラウンド」(静岡県磐田市)で行う。主に磐田市や袋井市といった近隣自治体の学校に通う高校生を想定しているが、練習参加が可能であれば地域に制限は設けない。

 チーム設立の背景には、静岡県内の競技者減少や部活動の縮小がある。ラグビー部を置く高校は、直近20年で15校のうち4校が休廃部。5校も単独での大会出場が難しい。少子化の進行もあり、直近10年で高校生の競技人口は100人減の約280人となっている。

 静岡ブルーレヴスはこれまで、小学5、6年生と中学生を対象としたラグビースクールや本格的な競技力向上をめざすアカデミーを運営し、普及に力を入れてきた。

 一方で、磐田市を含む県西部ではラグビー部がある高校が少ないため、子どもたちが競技継続を断念するケースがみられたという。

 競技力を高めたい有望選手は県外の私立高校へ進む傾向が強く、静岡県内の競技レベルが向上しにくい現状があった。

 ユースの代表を務める静岡ブルーレヴズ育成・普及部長の田井中亮範氏は「高校に競技環境がないから諦めてしまう子どもたちをなんとかしないと、どんどん高校ラグビーが小さくなっていく」と危機感を口にする。

 クラブチーム単位で参加可能な大会はあるものの、全国高校大会は全国高校総体(インターハイ)の一環であるため、現行制度ではユースチームの花園出場はかなわない。

 所属選手が通うそれぞれの高校が合同チームを組むことで、出場を目指す。ラグビー部がない場合は、部を新設した上で、合同チームを組むことができれば大会に参加できる見通しだ。

 ユースチームは10月から、来春に高校入学を控える中学3年生や高校生を対象とした体験会を実施する。来年4月にチームとして、本格的に動き出す。

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