フィギュアスケートの紀平梨花(23、トヨタ自動車)が29日、自身のインスタグラムでアイスダンスへの転向を発表。パートナーの西山真瑚(しんご・23、オリエンタルバイオ)とともにオンライン会見を開き、チームを結成した経緯や今後について思いを語った。
突然の発表となったアイスダンスへの挑戦。
紀平は「これまでのシングルの人生からは本当に考えてもなかったような形になっているんですけど、アイスダンスがすごく楽しくてこれからワクワクする大きなチャレンジになるので全力で頑張っていきたいと思っています」と笑顔を見せた。
もともと女子シングル選手として4回転ジャンプとトリプルアクセルを武器に活躍してきた紀平。しかし、ここ数年右足のケガの回復がおもうように進まず、「右足の距骨のケガで高難度のジャンプや右足のトウをつくジャンプは最終判断が難しい」として、9月中旬の中部選手権の欠場を発表していた。
そんな時、7月にカップルを解消しパートナーを探していた西山から誘われる形でカナダで練習を始めた。一緒に滑る楽しさを感じる中で「二人の目指すところが同じっていうことも相まってじゃあもう2人で組んでみようかとなった」(西山)という。
アイスダンス転向を決意してから数週間のため、リフトなど大技には本格的に取り組んではないが、トロントで同じコーチからスケーティング技術を叩き込まれたこともあり「同じタイプのスケーティング」だと感じた二人。
パートナーの西山は、カップルを組むためのトライアウトや練習において紀平の才能に驚かされたという。
「お互いがお互いのことを邪魔することなくスムーズに滑れてたっていうのが一番初めに感じた第一印象でした。何か技をやるっていうのはもう本当に完全に新しい技術なのでこれから二人で頑張っていかないといけないところではあるんですけれども(紀平が)本当に学ぶのがすごくはやい。アイスダンスっていうのはたくさん考えて動かないといけない競技でもあるので、スケートの感覚っていうのがいいんだなって。すごくアイスダンスにも向いていると感じました」と絶賛。
紀平もジャンプによる衝撃が無ければ右足への不安はない。そうとなればプランはどんどん進んでいく。
「目標みたいなのはまだ難しいんですけど、本当に一日一日進歩している段階なのでとにかく急ピッチで落ち着いて仕上げていった先に結果がついてくると思うので今の段階は意識しつつできることをやり尽くしたいとに思ってます」と語った。
カナダ・モントリールを拠点にトレーニングを積んでいく二人。
今シーズンのプログラムはもともと西山が滑る予定だった楽曲を使用する。リズムダンスは「Mambo。No5」で、フリーダンスは「もののけ姫」だ。
二人にとっての最大の目標は2030年の冬季五輪出場。
だが、ミラノ・コルティナ五輪の団体戦に出場できる可能性がわずかでもあるならば目指したいと、全日本選手権のアイスダンス予選会を兼ねる西日本選手権(11月、滋賀)に出場することも明らかにした。
紀平は「まだ組んで数週間しか経っていないのでその中で今後をどこまでいけるのかわからないですけど、最大限、可能性がある限りはあきらめずにどのチャンスも使って行けるように努力していきたい」と力強く語った。
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