今月23日に行われる「プロ野球ドラフト会議 」。将来が有望視される水戸啓明高校(茨城)の中山優人(18)も、この運命の日に吉報を待つ一人だ。

中山が一躍名を馳せたのは、7月21日の茨城県大会4回戦、水城高校との一戦。11球団のスカウトが見守る中、9回14奪三振で一人のランナーも出さない完全試合を達成した。

「試合中は完全試合っていうことはあんまり意識していなくて、試合が終わった後にスコアボードを見て完全試合をやってしまったみたいな」と中山。「初回からギアを上げてやった結果が完全試合になりました」と、偉業達成の日を振り返る。

「参考にしているのはドジャース・山本由伸投手」

身長182センチ、体重65キロ。ゆったりとしたフォームから投げ込むストレートの最速は146キロで「空振りがとれるストレートを目指しています」。球速自体は気にしていないというが「初速と終速を同じぐらいにするのを意識していて、バッターの手元でもう一段階、速さを上げるのを意識し」、日々理想のストレートを追い求めている。

寮での様子

ストレートに加え、スライダー、チェンジアップ、カーブ、フォーク、スプリットと多彩で切れ味抜群の変化球も持ち合わせる。中でも、スプリットは完全試合を達成した試合前に習得。「一番遅く覚えた変化球なんですけど、一番自信になった変化球。速さを求めつつ、落ち幅を大きくっていうのを意識しています」と自信をのぞかせる。

「3〜4歳ぐらいの時にレゴとか作るものが好きでよく遊んでいた」という中山。多彩な変化球を操る手先の器用さは、幼少期に培われた。また、野球の動画サイトやプロ野球の試合を見るなど、研究熱心な一面も持ち「特に参考にしてるのはドジャース・山本由伸投手」だという。

ドラフトは「運命、人生を決める大事な時」

高校進学の際は、県内の強豪に加え、県外からも沖縄の名門・興南高校など約20校近くから誘いがあったというが、「強豪校で勝っても面白くない」と信念を貫き、地元茨城の水戸啓明高校を選択、力をつけてきた。「野球を始めた時からプロ野球選手になるのが目標」とプロ志望届を提出。ドラフト会議は「運命、人生を決める大事な時」と意気込む。

「やっぱりドラフトで指名されるのが夢ではあるんですけど、そこに向けて練習や学校生活をしっかり送りたい」と謙虚に語る18歳。吉報は届くのか、将来が楽しみな水戸のミスターパーフェクト右腕に注目だ。

■中山 優人(なかやま・ゆうと)
2007年4月18日生まれ、18歳。茨城県鉾田市出身。182センチ、65キロ。右投げ左打ち。小学1年から鉾田当間スポーツ少年団で野球を始め、茨城県鉾田南中では水戸青藍舎ヤングに所属。水戸啓明高校では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒3、遠投115メートル。趣味は古着店巡り

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