ヤクルト・巨人・DeNAで活躍しDeNAで監督を務めたアレックス・ラミレスさん(51)が8日に行われた横浜国立大学教育学部附属特別支援学校での野球イベントに参加。児童・生徒を相手に笑顔のバッティング指導を行った。

イベント冒頭でラミレスさんは「1つだけ約束してください。とにかく野球をやっている時はスマイル!」と挨拶。

同校には小学生から高校生までの、知的障害のある児童・生徒が所属している。今回は小学1年から高校生までの60人が“ティーボールでのリアル野球盤”を体験した。

発起人は元ヤクルト投手で引退後は古田敦也監督の秘書も務めた小森孝憲さん(44)と、ラミレスさんの来日2年目から長年パーソナルアシスタントを務めた亀田恭之さん(53)。

「WBCの影響もあって、野球を好きな子は増えています。でも、野球を経験出来る場所は減っているんです。だから、『どんな人でもみんなで野球を楽しめるイベントをやりたい』と3年前くらいからティーボールの体験会を始めました」と語る小森さん。

その言葉通り、「誰でも野球を体験できるための工夫」が随所に散りばめられている。バットもボールも、通常の軟式野球よりも柔らかいものを使用。また、ピッチャーが投げるのではなく「ティーの上に置いてあるボール」を打つので空振りも少ない。そして守備や走塁もなく、打球がグラウンドに設置された「ホームラン」「ヒット」「アウト」等、どの幕に当たるかで得点・勝敗を決める。

野球初心者にとって大きな壁となる「投球・守備・走塁」を排除し、「打つ楽しさ」だけに特化したこのゲーム。ラミレスさんも「おーナイスバッティング!」「空振りオーケーね、ナイススイング!」と笑顔の中でバッティング指導。児童・生徒たちも「やったーホームラン!」「~くんアウトだよ!!」「めっちゃ楽しい!!」と声を弾ませた。

およそ1時間半の指導を終えたラミレスさん。「みんな笑顔でしたね。バッティングは簡単なことではないんですけど、子供たちのベストを尽くそうとトライする姿がうれしかったです」。


今回は特別支援学校の児童・生徒を対象として行われたが、発起人の小森さんは将来的には誰もが参加する全国的なティーボール大会の開催を目指している。ラミレスさんも、その思いは同じだ。「障害の有無は関係なく、いろいろな子供たちに野球を楽しんでもらうことで生きる活力を与えられたらいいなと」と話し、「スポーツを誰でもみんなで楽しめる環境をもっと作っていきたい。この活動を続けて行ければと思います」と声に力を込めた。

また、多くのファンが気にしているであろう“監督復帰”についても聞かれると「どこからもオファーは来ていませんが、スワローズ・ベイスターズ両方のファンから『ラミちゃんの監督姿を見たい』という声を沢山いただいているのは知っています。こんなに嬉しいことはないですね」と感謝を語った。

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