サッカーのキリンチャレンジカップは10日、大阪・パナソニックスタジアム吹田で行われ、日本(世界ランキング19位)はパラグアイ(同37位)と2―2で引き分けた。

 日本は前半21分に先取点を許したが、26分にFW小川航基(NEC)のミドルシュートで追いついた。後半19分に再び勝ち越されたが、終了間際に途中出場のFW上田綺世(フェイエノールト)が同点ゴールを決めた。

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 次戦は14日、東京・味の素スタジアムでブラジル(同6位)と対戦する。

終了間際に追いつく

 終了間際に追いついて2連敗は免れたが、強化試合の目的は課題のあぶり出しにある。主力不在の現状はむしろ、奇貨ととらえたい。

 この日試されたのは守備陣だった。瀬古、渡辺、鈴木淳。代表キャップ10以下の3人がスタメンに並んだ。冨安、伊藤、町田、板倉らを軒並み欠いていたからだ。

 試合前、4度のW杯を知る長友は言っていた。

 「W杯をベストメンバーで戦えるかは分からない。『選手がいないから』であきらめたらそれで終わり」。サブ組の奮起が問われた。

 しかし、経験不足は顕在化した。前半21分、パラグアイFWの背後への抜け出しに渡辺と瀬古が反応できず。縦パス1本で、簡単に失点した。

 後半19分の2失点目もクロスへの対応が遅れ、先に頭で触られてしまった。前もって相手に体をぶつけるなどの動きが欲しかった。攻撃面でも味方を追い越す動きに乏しく、安全第一の横パスを繰り返す姿は怖さを欠いた。常連組に割って入るには、個の力をアピールしなければならないと彼らは分かっているはずなのに。

 幸い、W杯本番まで8カ月ある。今の段階で試練を味わうことは決して悪いことではない。

 森保監督は「W杯に向けて絶対的なベストメンバーは決まっていない」と競争をたきつける。次の相手は中3日で強豪ブラジル。新たな課題が出るかもしれない。でも、それを「収穫」ととらえればいい。本番で輝くためにテストマッチはあるのだから。

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