(12日、プロ野球クライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)第2戦 北海道日本ハムファイターズ5―4オリックスバファローズ)
試合終了から15分あまり。劇的な逆転勝ちで2年連続のCS最終S進出を決めた日本ハムの新庄剛志監督の興奮は冷めなかった。
「もうふらついてますよ。レイエスがああいう当たりを打ってね」
振り返ったのは1点を追う八回だ。2死から連打で一、二塁の好機をつくった。32本塁打、90打点でリーグ2冠の3番レイエスが打席に向かう。
「大丈夫。自分には経験があると言い聞かせた」とレイエス。フルカウントからの6球目。外角高めの直球を捉えた打球は右翼フェンスに当たった。二塁走者に続き、一塁走者の矢沢宏太が本塁に滑り込んだ。2点適時打で試合をひっくり返した。
就任4年目。最初の2年間は最下位に沈みながらも若手を使い続け、成長を促してきた。この日の逆転劇に新庄監督はチームの成長を感じたという。
「(俊足の)矢沢君じゃなかったら(と思うと)ぞっとしますよね。同点止まりだったでしょうね」
オリックスの中継プレーに無駄はなかったが、矢沢も迷いなく本塁に戻ってきた。走塁やバントなど細かいプレーをおろそかにせず、泥臭く1点を取るのが新庄監督が目指す野球だ。「ゲームでの点の取り方とか、進め方とか。こうやって勝っているので(成長を)認めてもいいかな」と語った。
最終Sは2年連続でソフトバンクと戦う。昨年は3連敗(相手に1勝のアドバンテージ)で終わった。「もう明日に試合がしたいくらい。このノリでね」と監督。1年前とは違う。そんな自信を持って福岡に乗り込む。
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