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 メジャーリーグ、ワールドシリーズ第3戦はここまで1勝1敗。28日からドジャースタジアムに舞台を移して行われました。大熱戦となった試合を見ていきます。

松坂解説 6時間超えの死闘

 ドジャースがロサンゼルスに帰ってきました。

ドジャースファン この記事の写真は9枚 ドジャースファン
「ドジャースが勝利を手にするのは間違いない」
「(Q.大谷は何本ホームラン打つ?)ホームに帰ってきたから気持ちよく2本打ってくれるかな」 ファンの期待も十分

 ファンの期待も十分!いよいよ第3戦。

 連覇を狙うドジャースと、32年ぶりの優勝を狙うブルージェイズ。始球式は、ドジャースで活躍した野茂英雄さん(57)です。受けるのは、山本由伸投手(27)でした。

 先に1点リードを奪ったドジャースは3回、第1打席でツーベースを放っている大谷翔平選手(31)。状態が上がってきていると27日の会見で話していましたが、サイ・ヤング賞3度のベテラン・シャーザー投手(41)からポストシーズン第7号を放ちます。打ったのはストレート。インコース高めのボール球でした。

松坂大輔さん
「バッテリーが狙っていたところと少しずれたところに投げてしまいましたが、これは打ったバッターをほめるしかないですよね。それぐらい、ホームランにするのが難しいボールだったと思います」

 直後の4回、ドジャース先発のグラスノー投手(32)がスリーランホームランを打たれるなど逆転を許します。

 追いつきたいドジャース。5回、ランナー1塁で大谷選手。タイムリーツーベースで1点を返します。

 その後、フリーマン選手(36)のタイムリーで追いつきますが、7回に勝ち越しを許します。

同点ホームランを放つ大谷翔平選手

 1点を追いかけるドジャースはまたまた大谷選手。ポストシーズン第8号は同点ホームラン!大谷選手が止まりません。

松坂さん
「本当にすごいですね。リーグチャンピオンシリーズ第4戦のように打ち出したら止まらないですし、相手チームからすると、どんな状況でも大谷選手との勝負は避けるようになるんじゃないですかね」

 「勝負を避ける」がキーワードになりそうですが、8回、ピンチを背負ったドジャース。ここでマウンドを託されたのは佐々木朗希投手(23)。ワールドシリーズ初登板です。

松坂さん
「少し慌てて準備していたように見えたので、心配したんですけどよく抑えました」

 内野ゴロ2つで抑え表情もほっとした様子でした。

 9回も続投した佐々木投手。強烈な打球。ファーストが弾いたボールをセカンド、エドマン選手(30)がサードへ。タッチは…アウト!バックにも助けられ、この回も無失点です。

 その後、試合は延長戦に突入します。

今シーズンで現役引退 カーショー投手

 延長12回、ツーアウト満塁のピンチでマウンドに上がったのは今シーズンで現役引退のカーショー投手(37)です。このピンチをレジェンドがしのぎます。

 その後も互いに0が並び、延長18回にまでもつれる展開に。すると、ドジャースブルペンにはなんと2日前に完投勝利の山本投手の姿がありました。

松坂さん
「両チームともベンチ入り投手はすべて使い切るくらいのまさに総力戦でしたね。ブルージェイズは野手も使い切ってましたからね」

 18回裏、先頭バッターのフリーマン選手。センターへのホームランを放ち、延長18回、6時間39分に及ぶ死闘はドジャースが制しました。

大谷が2本塁打 朗希は無失点投球

フリーマン選手 フリーマン選手
「(Q.あなたの一発が出なかったら山本が投げていたかも)分かっていたよ。彼が自ら志願したことに“何としても勝つ”というチームカラーがあらわれている。ブルペンで肩をつくり始めた姿を見て“どうしても投げさせるわけにはいかない”と思った」 山本由伸投手 山本投手
「ピッチャーがいなかったので行くしかない。体調的にもきょうはいけると思った。監督が絶対いいって言わないだろうと思っていたが、どうしても仕方なかったので。前回完投して2日後に投げられるような体になっていたのは成長を感じたし、とにかく集中して準備しました。助かりました。HR打ってくれて」 ロバーツ監督 ロバーツ監督
「山本は休養日だったが、次の回があれば投げていた。優勝するためなら何でもやる姿勢が選手たちにあった。山本は必要なだけ投げさせたはず。最後のとりでだった。ワールドシリーズ史に残る試合の一つになった。感情的にはもう消耗しきった状態。信じられないけど、またすぐに試合がある」

 走塁の時に、足を気にするそぶりを見せていた大谷選手については…。

ロバーツ監督
「勝利に気持ちを高ぶらせている。明日先発する準備はできている」 大谷選手
「もう勝ったのがすべてかな。もう早く帰って寝て、明日に備えたいです」 広告 松坂解説 勝負を分けたポイント

松坂解説 勝負を分けたポイント

延長18回の激闘 ヒロド歩美キャスター
「延長18回の激闘ということで、数字を見ると松坂さんにお聞きしたいのが、高校時代延長17回を投げ切られました。この試合を改めてご覧になっていかがでしたか?」 松坂さん
「本当に見応えのある試合でしたよね。5対5で延長に入って。延長に入っても点の取り合いになるかなと思いましたが、そうはならなかった。不安があるといわれた両チームのブルペン陣が本当に頑張りましたよね」

 この大激戦、あえて勝負のポイントを挙げるとすればどうでしょうか?

ドジャースのリリーフ陣 松坂さん
「やはり、ドジャースのリリーフ陣ですね。ポストシーズンで不安定だったリリーフ陣が本当に頑張りましたし。特に、最後の4イニングを無失点に抑えたクライン投手が素晴らしかったです」 ヒロドキャスター
「リリーフで実に9人のピッチャーで13回あまりをつなぐということで。すごいです」 松坂さん
「きょうの試合はリリーフの活躍で勝ったと言っても過言ではないですし、第2戦の山本由伸投手の完投勝利も大きかったですが、1勝は1勝ですが、きょうの1勝というのは本当に1勝以上の価値がある勝ち方だったんじゃないかなと」 大越健介キャスター
「延長18回で終わらなかったら次、山本投手が行ってたわけでしょ。フリーマン選手も彼が志願したんだと言っていましたが、これもやっぱり大いに奮起の材料になったでしょうね、選手は」 松坂さん
「なったと思いますね。テレビで見ていても、(山本)由伸投手もかなり力を入れて肩を作っていましたし、2日前に投げたばかりの選手がいくというこの心意気が18回のフリーマン選手のホームランにつながったと思います」 ヒロドキャスター
「見ている側も、映った瞬間ブルペンに山本投手!ってなって感動を覚えたといいますか」 松坂さん
「感動しましたね。その姿を見て頼もしいとも思ったし、この試合で投げさせてはいけないって思ったんじゃないですかね」 ヒロドキャスター
「まさにフリーマン選手もそのように試合後話していましたが、ちなみに、延長18回は過去最長に並ぶ記録で最も長かったのが、2018年のドジャース対レッドソックスの試合。試合時間は何と7時間20分」 小木逸平アナウンサー
「もっと長いんだ…。でも、今回も正直、見ているだけでもちょっと疲れが残るくらいで。今も疲れています。だから選手の疲れも心配だなというのはあるんですけど。ワールドシリーズを制したことがある松坂さんにお伺いしたいのが、このシリーズ頂上決戦ならではの戦い方の難しさはあるんですか?」 松坂さん
「その年の一番強いチームを決める試合でミスがあった時に、そこを逃さない集中力だったり、一気に畳みかける力が両チームにはあると思うんですよね。最高峰の戦いで、緊張感から生まれるミスっていうんですかね。そのミスを監督、コーチも含め出さないっていうのがキーになる」 ヒロドキャスター
「29日はどんな戦いになるんでしょうか!29日、30日も引き続き松坂大輔さんとお伝えします」」

(「報道ステーション」2025年10月28日放送分より)

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