(プロ野球SMBC日本シリーズ2025第4戦 福岡ソフトバンクホークス3―2阪神タイガース)

 2点リードの六回2死二塁。ソフトバンクの小久保裕紀監督が動いた。

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 五回まで無失点と好投していた大津亮介に代え、代打・近藤健介を送る。阪神3番手の桐敷拓馬の2球目、145キロをとらえた打球は一、二塁間を抜け、右前適時打に。結果的に、この1点が最後にものを言った。

 左脇腹痛から復帰したばかりの近藤は、第1、2戦は「4番・指名打者(DH)」。甲子園ではDHがなく、代打の「切り札」として控えた。この回、得点圏で9番の大津に回れば、近藤を起用することはチーム内で共有されていたという。

 短期戦ならではの大胆な采配だ。

 大津は五回まで59球で余力があった。「勝利の方程式」は藤井皓哉、松本裕樹、杉山一樹の右腕3人。1回ずつ任せるとなると、あと1人足りない。「迷いはありました」と小久保監督。

 ただ、ここを勝負どころと見定め、「もう1点取りにいくことにした」。この決断が勝負を分けた。

 3点差とし、相手打線が3番から始まる六回は前倒しで藤井を投入。下位打線に回る七回は左腕のヘルナンデスでつないだ。八回に松本裕が2失点したが、九回は杉山が1点差を守った。

 2020年以来の日本一へ王手をかけた。第5戦の予告先発はパ・リーグ2年連続最多勝の有原航平だ。中4日と間隔を詰める起用もベンチの大胆な決断といえる。

 第5戦で決めるつもりかと問われた小久保監督は「もちろん、その気持ちでいきます」と言い切った。

■ソフトバンク・山川が日本シリーズ記録タイの3試合連続本塁打

 ソフトバンクの山川が日本シリーズ最多タイとなる3試合連続ホームランを放った。二回、バックスクリーンへ先制ソロ。「速い球に負けないようにした。打撃の技術面に集中できている」。阪神のバース、金本、広島のエルドレッドらに並び、「いかついメンバー。うれしく思います」と喜んだが、新記録は「狙ってない。チームが勝てばいい」と話した。

■ソフトバンク・大津が日本シリーズ初勝利

 大津(ソ) 5回を3安打無失点で日本S初勝利。初安打と初得点も挙げるなど投打に躍動。「変に緊張せず、普段通りに投げようと思っていた。自分らしい投球ができて良かった。(五回に左犠飛で三塁から生還して)足には自信があります」

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