30日のプロ野球日本シリーズ第5戦で阪神はソフトバンクに惜敗し、日本一を逃した。逆転を信じた阪神ファンは阪神甲子園球場で最後まで声援を送った。

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 「悔しい。短期決戦は難しいですね」。大阪府島本町から応援に訪れた主婦の石田恵子さん(54)は声を落とした。

 少ないチャンスを点に結びつけ、投手陣で守り切るのが、今季の阪神の野球だった。しかしこの日の試合は、終盤に石井大智投手と村上頌樹投手が本塁打を浴びた。

 「チームを支えてきたあの2人が打たれたら仕方がない」

 観戦前は必ず球場近くの甲子園素盞嗚(すさのお)神社で「どうか勝たせてください」と祈願してきたという。来年こそ日本一に――。今後も阪神の応援と神社への参拝を続ける。

 兵庫県三木市の松岡渚さん(47)は一塁アルプスから声援を送った。「あの場面でホームランが出る。長打力の差が勝負を分けた」と話した。

 小さい頃から阪神ファン。成績が低迷した「暗黒時代」も応援を続けてきた。「今年は10月末まで試合を見られて幸せだった。毎日楽しませてくれてありがとう、と選手に言いたい」

 阪神は日本シリーズで敗れたが、31日から阪神百貨店では5日間、神戸阪急では3日間、それぞれ特別セールを開催する。福袋や特価品のほか、買い物客にノベルティーのプレゼント企画もあるという。

 11月22日には大阪市中心部の目抜き通りの御堂筋でセ・リーグ優勝を記念したパレードも行われる。

パブリックビューイングでも声援

 阪神の2軍本拠地がある兵庫県尼崎市の日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎では30日、第5戦のパブリックビューイングがあり、大勢の阪神ファンが声援を送った。

 甲子園で今年10回観戦したという大谷幸平さん(39)=大阪府吹田市=は、「石井もいつか打たれる日が来ると思っていたが、それが今日だったとは。でもシーズンを通して楽しませてもらった」とねぎらった。

 親子3人で見に来た伊藤裕登さん(41)=大阪市西淀川区=は、「勝って六甲おろしを聞きたかった。来年こそ最速で日本一になってほしい」と期待した。

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