陸上の跳躍種目を始めて、わずか1年あまり。三段跳びに至っては競技歴「半年ほど」で、国民スポーツ大会を制した女子高校生がいます。陸上跳躍界に突如現れたダークホースはどのように誕生したのでしょうか。

「めっちゃ緊張します」

慣れない取材に緊張気味の、那覇国際高校陸上競技部2年、松川そら。

「小さい頃に体操をやっていて、元々跳ぶのは好きで。ケンケンとかも好きだったんですよ」

短い競技歴の「ダークホース」那覇国際高校2年 松川そら

中学までは100mが専門でしたが、高校に入って走り幅跳びを始め、今年4月からは三段跳びに挑戦。三段跳びは高校総体の南九州予選で決勝進出を果たせず、全国切符はつかめませんでした。

そんななか、参加選手中、“ランキング最下位” で挑んだ国民スポーツ大会。県高校記録まであと2センチに迫る12m37を記録、この種目県勢初の日本一に輝きました。

「自分が一番驚いた」という大跳躍


「周りの人よりも多分一番自分がびっくりしてて。終わった後も実感がなくて」

跳躍界に突如現れたダークホースを支えるのは、指導者と “憧れの先輩” の存在でした。那覇国際高校に入学したとき、松川の胸中にはある思いがー

憧れの2つ先輩、喜久里彩吹(右・慶応大1年)

「高校に入って喜久里彩吹先輩を見た時に、やっぱりかっこいい、跳ぶのかっこいいなと思って、自分もこんな風になりたいって思って始めました」

幼い頃から体操を習い、跳ぶことが大好きだったという松川。とはいえ、陸上の跳躍種目を始めて、まだ、わずか1年あまり。三段跳びにいたっては試合デビューから半年ほどで、日本一まで昇りつめました。

才能を開花させたのは、喜久里を育て、陸上の実業団チームの監督も務める後間 英生さんです。

後間英生 監督
「そのまま(ももを)真っ直ぐ引き上げる、ひざが出るでしょう。自分で(ひざを)上げる必要ない、引き上げることによってひざが出る」

松川そら
「最初は走り幅跳びは、ジャンプ力を上げるだけだと思っていたんですよ。けど、走りがやっぱり全部つながっている、基本だと言われて。確かに最近走りを意識して伸ばすようになったら、跳躍もめっちゃ記録が伸びたんですよ」

「技術面は多分もう、去年から本当にびっくりするぐらい伸びてる」

跳躍のフォームは、監督の理想のまだ50%に満たないといいますが、走り幅跳びのベスト記録も5m71センチまで伸び、三段跳びでは日本一に。その急成長を本人以上に喜んだ人がいます。

後間監督
「今回の国スポで誰よりも喜んだのは喜久里です」「喜久里本人からすぐ電話があって、もう喜びで号泣していました」

松川そら
「幅跳びは沖縄県初の6 メートルを。(三段跳びは)12m50を超えて、インターハイでも全国でも、戦えるようになりたいです」

同じ目標を持つ喜久里は…

喜久里
「やばいです」「冬季練習を死ぬ気で頑張ります」

盛り上がりを見せる沖縄跳躍界。さらなる高みをめざして、大きく羽ばたきます。

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