世界デフ新記録で2大会連続2冠を飾った。デフリンピック陸上女子のパメラ・ロザンジュ(フランス)は23日、200メートルで23秒87を出し、100メートルに続いて金メダルに輝いた。

 2023年フランス選手権で、健常者と競って優勝したトップスプリンターだ。生まれつき聞こえにくい。聞こえる人と競う大会では補聴器をつけることで、わずかなピストル音を察知してスタートを切る。聴覚障害を理由にリレーのメンバー入りを断られるという挫折も経験したこともある。自信を失ってうつ状態になり、けがに苦しんだ時期もあったが「経験が私をさらに強くした。いまは成熟して自信もある」。

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 自己ベストは23秒06。24年パリ五輪は、記録が伸びず派遣標準記録(22秒57)に届かず出場を逃したが、視線は次に向かう。

 この東京大会での2冠達成後に「28年のロス五輪をめざします」。歯科技工士へ向けて学びながら、夢の舞台を狙うことを宣言した。

 「聴覚障害者も何でもできる。自分が、限界はないということを示したい」。聴覚障害のある子どもがスポーツをすることへの後押しが足りないという。環境を変えるためにも、結果を出し、発信力を高めたいと思っている。

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