11月に東京を中心に国内で初めて開催される聴覚に障害があるアスリートの国際大会「デフリンピック」のバドミントン競技に、ノートルダム清心女子大(岡山市北区)の片山結愛(ゆめ)さん(21)が出場する。
香川県綾川町在住。生まれたときから両耳ともほとんど聞こえず、右耳は人工内耳、左耳には補聴器をつけている。バドミントンのシャトルなら、耳にあたっても危なくないかなと、小学3年のころに競技を始めた。
コーチに教わり練習することで、それまでできなかったことができるようになる。それが楽しかったという。
中学、高校とバドミントンを続け、インターハイを目指した高校3年、県大会で強豪・高松商と対戦して敗退。インターハイ出場を逃し、悔しさも感じたが、やりきった感じもあった。大学ではバドミントンをやめるつもりだった。
そんなとき、九州で開かれるデフバドミントンの日本代表合宿にトライアウトで参加できることを知った。
自由に、自分らしいプレーを
デフバドミントンでは、補聴器などを外してプレーしなくてはならなかった。音のない世界でプレーしてみると、思うようにショットを打てなかったり、動きだしが遅くなったり。意外と聴覚に頼っていたんだと思った一方で、日本代表選手と予想以上に打ち合えて、手応えも感じた。
岡山市内のノートルダム清心女子大に進学してバドミントンを続け、今年3月にあった大会で混合ダブルスで優勝。デフリンピックの出場を決めた。
初めてのデフリンピックでの目標は、出場する混合ダブルスと混合団体戦での金メダルだ。
「音が聞こえないのは、世界から色がなくなるような感じ。試合でも日常生活でも、音は聞こえた方が楽しいけど、聞こえないなかでの試合も楽しい。前衛に回ることが多いが、自由に、自分らしいプレーをしたい」
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〈デフリンピック〉聴覚障害者の国際スポーツ大会で、日本では初開催。1924年にフランスで夏季大会が開かれたのが始まり。県によると岡山ゆかりの出場選手は、片山さんのほかに陸上の石本龍一朗さん、佐藤秀祐さん、サッカー女子の石岡洸菜さん、小森彩耶さんがいる。
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