サッカーJ1への昇格が決まった水戸ホーリーホックは8日、来季の新体制を発表した。悲願達成を導いた森直樹監督(48)は同日付で退任。トップチームの選手強化や育成を担当する新設の「フットボールダイレクター」に就任した。新監督は昨年までコーチを務め、現在はJ3栃木SCコーチの樹森(きもり)大介氏(48)。クラブは、新しい指揮官のもとでJ1に臨む。

 この日、水戸市内で小島耕社長と森氏が報道陣の取材に対し、明らかにした。

 小島社長は「来季はJ1残留が目標。中位、上位と勝ち上がっていく歴史を築いていくため、必要な体制を話し合って決めた」と、今回の人事の理由について語った。

選手育成に定評、手腕受け継ぎFDに

 水戸は、選手研修事業など独自の育成方法を取り入れ、J2では選手を育てた実績に定評がある。

 その中心となって手腕を発揮してきたゼネラルマネジャー(GM)の西村卓朗氏(48)が今季限りで退任となり、後任として、西村氏の下でスカウトを3年間務めた経験がある森氏に白羽の矢が立ったという。

 指揮官の座を退く森氏は「将来、(トップチームの)強化に携わりたいという思いがあった。西村GMが築き上げたものを受け継ぎ、現場とフロントの両方を知る強みをいかしながらチームをさらにパワーアップさせていきたい」と、トップチーム運営の要を担う決意を新たにした。

樹森新監督、J1指揮の経験に期待

 新監督に就任する樹森氏は埼玉県出身で、2003年から04年に水戸で選手として活躍。引退後は、12年から24年までユースチーム監督やトップチームのコーチを務めていた。25年1月から一時、J1アルビレックス新潟で監督も務めた。

 小島社長によると、樹森氏は年明けにもチームに合流する見通し。今後、正式契約を結ぶ予定。

 樹森氏は「森監督から受け取ったバトンを次へとつなぐため、クラブが掲げるさらなる目標に向けて準備を進めてまいります」とのコメントを出した。

 小島社長は「(樹森氏は)水戸への愛着が強く、J1で指揮をとった経験もある。クラブ全員が同じ方向を向いて来季の目標に臨みたい」と語った。

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