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公式練習で調整する三浦佳生(左)と佐藤駿=西岡臣撮影

 来年2月のミラノ・コルティナ・オリンピック(五輪)代表最終選考会を兼ねた全日本選手権が19日、東京・国立代々木競技場で開幕する。

 五輪の出場枠は男女ともに「3」。全日本の優勝者がまず1枠目に決定し、残る2枠は今大会の順位やこれまでの実績などで決まる。

 男子の選考で一歩リードしているのは、2022年北京五輪銀メダリストの鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)だ。

 今季は4回転ジャンプの種類を昨季より減らしているが、その分、スケーティングや表現力に注力。グランプリ(GP)シリーズ2大会で優勝するなど、男子エースとして力を見せている。

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公式練習で調整する鍵山優真=西岡臣撮影

 鍵山に迫るのが、同学年で切磋琢磨(せっさたくま)してきた佐藤駿(エームサービス・明大)だ。6月末のアイスショーで右足首を痛め、ジャンプの練習が思うように積めない時期もあったが、10月のGPシリーズ中国杯を制した。

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 日本スケート連盟は今夏、代表選手の選考基準を発表した。代表2枠目の条件は以下の三つだ。

 A=全日本選手権の2位、3位

 B=GPファイナルの出場選手上位2人

 C=シーズンベストスコアの上位3人

 鍵山は12月に名古屋市で開かれたGPファイナルで準優勝。佐藤も3位に入り、Bを満たした。

 さらに、Cでも2人は先行する。

 鍵山のシーズンベストは302.41点、佐藤は292.08点と、日本勢の上位2人を占める。世界で見ても、2人より上は333.81点のイリア・マリニン(米)しかいない。

 2人を追うのは、四大陸選手権優勝の実績を持つ20歳、三浦佳生(かお)(オリエンタルバイオ・明大)と、27歳で世界選手権出場3回の友野一希(第一住建グループ)だろう。ともに今季のGPシリーズで表彰台にも上がっている。

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公式練習で調整する友野一希=西岡臣撮影

 23年全日本3位の山本草太(MIXI)や、3月の世界選手権代表の壷井達也(シスメックス)も虎視眈々(こしたんたん)と代表の座を狙う。

 女子は世界選手権優勝3度の坂本花織(シスメックス)が代表に近い。シーズンベストは今季世界でも一番手。GPファイナルでは、ショートプログラム(SP)で5位と出遅れたが、フリーで巻き返し、3位に。出場上位2人という選考基準Bを満たしたことが大きい。

 今季ブレークした17歳、中井亜美(TOKIOインカラミ)も有力候補の一人だ。GPシリーズ開幕戦フランス大会を制し、GPファイナルも2位。いずれも坂本を抑えた。

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公式練習で談笑する中井亜美(左)ら=西岡臣撮影

 現状の3番手は千葉百音(もね)(木下グループ)か。

 女子では唯一、GPシリーズ2大会で優勝した。GPファイナルではSP首位発進ながら、フリーで失速。総合5位に終わったが、3月の世界選手権で銅メダルを獲得するなど、地力は高い。

 女子では、大技を持つ選手たちが逆転での代表入りを狙っている。

 住吉りをん(オリエンタルバイオ・明大)は4回転ジャンプをフリーに組み込む予定。9月にイタリアであった国際大会では、中井を抑えて優勝をさらっている。

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公式練習で調整する住吉りをん=西岡臣撮影

 GPファイナルにも出場した渡辺倫果(三和建装・法大)は、トリプルアクセル(3回転半)の使い手。今季は、SPとフリーで計3本をプログラムに入れている。

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