今年9月にあった陸上の世界選手権(世界陸上)東京大会が、「史上最も厳しく検査された大会」に認定された。
世界陸連の独立監視部門「インテグリティー・ユニット(AIU)」は18日、東京大会に向けて実施された競技会外検査(抜き打ち検査)が計6193件だったと発表した。
2024年11月8日~25年9月7日の約10カ月が対象。前回の2023年ブダペスト大会から12%増えた。
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AIUが成果として挙げたのが、3回以上の抜き打ち検査を受けた選手数だ。東京大会は52.9%で、AIUによると実際に大会に出場した2006人のうち、1062人が受けた。45%だったブダペスト大会から約13ポイント増え、AIUが設置された2017年以降の5大会で初めて半数を超えたとしている。
ドーピング検査は、競技の公平性を保つため、上位に入りそうな選手ほど検査件数は増える。
東京大会でも同様で、リレー種目を除いた8位入賞者の平均は5・67回。多くの選手が6~8回受けていた。
一方で、対象の10カ月間で抜き打ち検査を1度も受けずに大会に臨んだ選手は20.6%。22年オレゴン大会の33%、23年ブダペスト大会の27%から減少したとしている。
日時、場所を選手に伝えず、突然訪問して行う抜き打ち検査は、ドーピングを抑止するために効果的な手段で、世界陸上のようなトップアスリートが集まる国際大会では特に重要視される。
違反者は大会中よりも、大会前にパフォーマンス向上や回復、筋力を増やすなどの目的でドーピングに手を染める傾向があるためだ。
AIUチェアマンのデービッド・ハウマン氏は、各国の国内アンチドーピング機構(NADO)の奮闘ぶりをたたえた。各国内で抜き打ち検査が増えたことで、AIUは表彰台や入賞する可能性がある選手に集中できるとし、「より適切な選手を、適切なタイミングで検査できる」とコメントした。
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