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来年の春、ボクシングで史上最大のビッグマッチが期待されています。2階級で4団体を統一した世界のモンスター井上尚弥選手(32)。その相手と言われるのが中谷潤人選手(27)。それぞれ今週末、前哨戦を控えていますが、世界が注目する一戦へ向けた中谷選手の道のりに内田篤人さんらが密着しました。

生活すべて捧げ…変革の年

9月に行われた、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上選手の防衛戦。勝利したモンスターが突如、こうマイクで叫びました。

「中谷くん!あと1勝!12月お互い頑張って、来年東京ドームで盛り上げましょう」

中谷選手は2年前、井上選手が去ったバンタム級で王者となり、衝撃のKO劇を連発。井上選手のライバルと目されるまでになった男は今、どんなトレーニングを行っているのでしょうか?

中谷潤人自ら手がけたプライベートジム この記事の写真は10枚

中谷選手がいたのは、この秋できたばかりのプライベートジム。中谷選手自ら手がけた、個人のボクサーとしては異例の空間です。

内田さん
「なんでここを作ろうと思った?」 中谷選手
「自分自身と向き合う時間がより大切になってくると思った」 内田さん
「サンドバッグ、こんなに種類あるんですね」 中谷選手
「結構あるんです」 「日本にないくらいの大きさ」 内田さん
「普段見るのは、この2つくらい?」 中谷選手
「日本にないくらいの大きさ。打っても動かない」

生活すべてをボクシングに捧げるなか、今年はまさに中谷選手にとって変革の年となりました。

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スーパーバンタム級へ転向

6月にバンタム級王者・西田凌佑と人生初の統一戦

6月、ボクシング人生初の王者統一戦。相手は、もう一人のバンタム級王者・西田凌佑選手(29)です。

井上選手が見つめる前で、試合開始のゴングから、わずか10秒。中谷選手がまさかの猛攻を仕掛けます。

「1ラウンドからいく。ラッシュをかけていく」 リスクを恐れず前に出続けた中谷潤人

その後も、手を休めることなく強烈なパンチを打ち続けます。

内田さん
「今まではスタートからいっていない戦い方?」 中谷選手
「いっていなかった」 内田さん
「自分のスタイルじゃないので、危険な面もある?」 中谷選手
「リスクは大きくある。実際の試合で、引き出しを出すのはなかなかなかった。そういったところで自信になった」

リスクを恐れず、前に出続けることでつかんだ、さらなる高み。井上選手に鮮烈なメッセージを送りました。

スーパーバンタム級へ転向した中谷潤人

その後、井上選手の待つスーパーバンタム級へ転向。これまでいたバンタム級との体重差は1.8キロ。1つ上の階級への体作りが始まりました。

内田さん
「『パンチが重くなった』と。それは体重の変化とご自身の成長?」 中谷選手
「打った時の感触が体重乗ってきているというのは感じている。ただ増やしているだけじゃなく、増やした分を力に変えられている」 内田さん
「それでいて、スピードはもちろん落としたくない。自分の感覚として分かるもの?」 中谷選手
「ありますね。体重がきょう増えたなと思うと、練習でもちょっと重かったりする」

スピードを落とさず、いかにパワーを上げるか。ただ1人の空間で己の肉体と向き合いました。

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今月27日に最強対決の前哨戦

日米2カ所に拠点を持つ中谷潤人

11月、その姿はアメリカ・ロサンゼルスにありました。

15歳でボクシング修行のため海を渡り、日米2カ所に拠点を持つ中谷選手。ジムの空気は日本と真逆です。人種や国籍、階級も異なるさまざまな強豪が集います。

ここで本格的な実戦練習が幕を開けました。すると、自身の現在地を確かめる格好の相手がいました。

井上尚弥から今年ダウンを奪ったカルデナス

今年、井上選手からダウンを奪ったアメリカのカルデナス選手(30)です。ボクシングの本場ならではの顔合わせでした。

カルデナス選手
「距離の取り方がとてもうまかった。そして、潤人はこれまで数々の戦いで実力を証明してきた。世間の注目を裏切らない本物の力だ」 サウジで行われるタイトルマッチに登場する2人

いよいよ、井上選手の君臨するスーパーバンタム級。その最前線に足を踏み出す中谷選手。日本人最強を決める戦いに今、世界が熱い視線を注いでいます。

今週末、サウジアラビアで行われるタイトルマッチ。メインは井上選手、その前の試合に中谷選手が登場します。

井上尚弥は「同じ階級になって超えるべき存在」

それぞれの一戦が、最強対決の前哨戦となります。

内田さん
「井上尚弥選手はどんな存在?」 中谷選手
「同じ階級になって、超えるべき存在。上回れるように、すべてにおいて。そこをモチベーションに頑張っています」 広告 「勝って来年ビッグマッチへ」

「勝って来年ビッグマッチへ」

「勝って来年のビッグマッチが実現してほしい」 内田さん
「ジムに入らせてもらった最初の殺気というか、あれはなかなか緊張感がありました。すごかったです。普通、ライバル同士の存在というのは遠ざけて意識しないように、なるべく自分にフォーカスするというのも一つの手段だと思います。ただ、2人はお互いに意識して認め合っていて、すごいなと思いました。それがリングに上がることなのかなと。ボクシングはそういうスポーツなのかなと思いました。まずは今週末、前哨戦があるので、勝って来年のビッグマッチが実現してほしいなと思います」

(「報道ステーション」2025年12月24日放送分より)

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