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2025年3月、10年目を迎えたBリーグが2026年1月にドラフトを開催することを発表した。
『B.革新』を掲げるBリーグにとって、その目玉の一つがドラフト制度だという。

渡邊雄太選手や富樫勇樹選手、ジョシュ・ホーキンソン選手らのBリーグ選手が名を連ねる日本代表は、2024年パリ五輪の出場権を12大会(48年)ぶりに獲得し、その姿に日本中が熱狂した。
そして2027年W杯出場を目指す日本代表は、アジア地区予選の台湾戦(2025年11月と12月)で連勝したことが記憶に新しい。

将来の日本代表が誕生するかもしれないドラフト希望選手が集まりパフォーマンスをアピールする「コンバイン」をBリーグが12月18日に都内で開催した。

コンバインの様子 この記事の写真は31枚

B.LEAGUE “初”ドラフトコンバイン

12月19日(金)に選手のドラフト志望届の申請が締め切られ、108人がエントリーした。
コンバインの参加者は55人でセンターポジションの選手はいなかった。

島田チェアマンの開会あいさつ 島田慎二チェアマン
「今日からスタートして、将来Bリーグに入ったり、日本代表になるような選手になることを期待しています」

アメリカのNBAでもドラフトコンバインは行われている。スタンディングリーチ(静止状態で手を上に伸ばした時の高さ)やウィングスパン(手を左右に伸ばした時の長さ)などの身体測定、垂直飛びや走力などの能力測定、模擬試合が行われ、各チームが選手を評価する場となっている。

Bリーグでは、身体測定を含む12種類のテスティング、2種類のスキルテスト、スクリメージ(5対5の試合形式)が行われた。

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現役Bリーガーを上回る驚異のジャンプ力

テスティングで特に迫力があったのは垂直跳びだ。

垂直跳び(助走なし)の様子

1位となったのは江戸川大学に在籍する河野圭祐選手(22)。身長178cmのPG(ポイントガード)の選手が「助走なし」で94cmをマークした。現役のBリーガーの最高記録85cm(福岡・青木龍史選手)から9cmも上回る結果になった。
※Bリーガーの測定は外国籍、アジア特別枠、28歳以上の選手は任意での実施

河野圭祐選手の垂直跳び(助走あり)

小学校でよく使われる小型の跳び箱で7段の高さに相当し、また家庭用のキッチンの高さが80cm〜90cmなので、それよりも高く飛んでいることになる。

スキルテストの3ポイントシュートでは、関西選手権2025で3ポイント王となった大阪産業大学の松浦奏斗選手(22)が、11本のうち9本を決め81.8%という高確率を記録した。コンバインに参加した選手の平均確率は37.1%だ。

スキルテスト中の松浦選手

単純には比較できないが、Bリーグの試合では成功率が50%に満たないため、精度の高い3ポイントシュートは、クラブにとっても必要な武器となる。

試合形式で行うスクリメージでは5人ずつ11チームに分けられ、1試合4分で各チーム4試合が行われた。

スクリメージの様子

エントリーした選手のポジションはガードが多いため、本来のポジションとは違う動きをしなくてはいけない選手も多く、最初はプレーがかみ合っていなかった。そこで、積極的に声をだしてコミュニケーションをとり、試合を重ねるごとに「チーム」としての動きが良くなっていった。

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目標は日本代表の西田優大選手(シーホース三河)

スクリメージで存在感を放ったのは筑波大学4年の福田健人選手(22)。

福田健人選手

本来のポジションはSG(シューティングガード)/SF(スモールフォワード)だが、所属チーム内では身長(192.8cm)が高いため、スクリーンをかけたり、リバウンドで体を張る場面が多く見られた。チャンスがあれば、積極的にドライブをしかけて得点を重ね、チームに貢献していた。

「インカレという自分をアピールする場面がなくなってしまったので、その分ここ(コンバイン)でアピールをしなきゃいけないなっていうのは感じていた」 スクリメージで豪快なブロック

11月の関東大学リーグの入れ替え戦で筑波大学は2部に降格。全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)への出場は叶わなかった。

「ディフェンス面で自信があるので(Bリーグで)通用する部分はあると思う。オフェンス面はもっと磨かないといけないと思うので、ドラフトまでの期間もワークアウトをしっかりして、レベルアップできればと思っています。」 広告 最年少18歳でコンバイン参加

最年少18歳でコンバイン参加

大学で研鑽を積み、Bリーグ入りを目指す選手が多い中、最年少でコンバインに参加したのが内山晴輝選手(18歳)。
2024年ウィンターカップ準優勝の鳥取城北高校出身で、現在は静岡GYMRATSに所属している。

内山晴輝選手 「練習してきたスキルが通用して、自分にとってやってきたことが間違いなかったことを感じました。率直にめっちゃ楽しかったです」

「Bリーグの外国籍選手にサイズが近い環境でプレーをしたい」という思いから高校卒業後、アメリカの独立リーグABAに加盟している『静岡GYMRATS』でプレーをすることを決めた。

3ポイントシュートのスキルテスト中の内山選手 「小さい時からBリーグでトップレベルの選手になるっていうのが目標でした」
「まずはみんなに自分のことを知ってもらって応援されるようなプレーヤーになるので、応援してくれたら嬉しいです」

今回のコンバインでも積極的に声をだし、場を盛り上げていた。

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「懐かしい気持ち」 元Bリーガー 桜井良太GM

元Bリーガー(23-24シーズンで引退)で現在はレバンガ北海道でGMを務める桜井良太さんにコンバイン終了後にお話を伺った。

「自分をアピールしようと全力でプレーしている姿が、自分もプレーヤーだったので懐かしい気持ちになりました。その一方で冷静にいろんなことを考えながら見ることができて、すごく有意義なコンバインでした」

自身に重ねる部分もありつつ、クラブの責任者としての顔を見せた。

桜井良太さん 「シーズンを通していろんな状況がある中で、どんな時でも自分のやることを見失わずに精度高くプレーし続けられる、自分のことを自分でプッシュできるような選手がいてほしいですね」

今シーズン、有力選手が加入し、現在B1東地区3位を走るレバンガ北海道。(12/26時点)

GMに就任し、その手腕を発揮している桜井さんは来年1月のドラフトでどんな選手を指名するのだろうか。

ドラフト指名順位が決定

12月22日(月)にはドラフトの指名順位を決める『B.LEAGUE DRAFT 2026 LOTTERY』が開催された。
1位指名の権利を獲得したのはサンロッカーズ渋谷、上位5クラブに関東圏のクラブが並んだ。

1位を獲得したサンロッカーズ渋谷の松岡GMが指名をする上で重視するポイントを語った。

「クラブのフランチャイズになっていけるような人間性を持った選手、リーグを牽引できるような、看板をつけられるような選手であってほしいなと思ってます」

『B.LEAGUE DRAFT 2026』は来年1月29日(木)に開催される。
Bリーグを背負う未来のスターに注目だ。

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