全国高校ラグビーフットボール大会も2日目、28日(日)には1回戦の残り14試合が行われて2回戦進出の24校が決定。シード校8校を含めて2回戦を戦う32校が出揃いました。
聖光学院VS近大和歌山 劇的な幕切れで聖光学院が悲願の花園初勝利
第1グラウンド第1試合は、出場3回目での花園初勝利を目指す聖光学院(福島)と、昨年度の初勝利に続く聖地での2勝目を狙う近大和歌山(和歌山)の対戦。
前半は、初勝利に燃える聖光学院がペースを握ります。前半5分、CTB木村蓮選手が巧みなステップでトライエリアに迫ると、最後はフォローしたWTB井出聖弥選手がトライ。さらにPGで3点を加えた後の19分、ペナルティーからのはやい仕掛けから、宇佐美和彦監督が「聖光学院のラグビーを体現している選手」と全幅の信頼を置くキャプテンのSH遠藤慧史選手がトライエリアに飛び込んで13対0とリードをひろげます。
一方の近大和歌山も焦らず反撃、前半23分にPR久木オスカル選手の力強い突破で追撃を開始すると、後半5分にはBK陣のスピードある攻撃から1年生のWTB森岡千智選手がトライ。CTB森雄真選手がゴールも決めて13対12と1点差に詰め寄ります。
しかし、勝利への執念を見せる聖光学院も譲りません。残り時間も少なくなった後半25分、とっておきのサインプレーで近大和歌山を突き放します。FWでモールをつくると見せかけた形から、SH遠藤選手が絶妙のタイミングでWTB井出選手にパス。パスを受けた井出選手が右隅に飛び込んで18対12、6点差として勝負を決定づけたかと思われました。
しかし、近大和歌山もあきらめません。刻々と時間が進む中、自陣から粘り強くボールをつないで聖光学院陣内に攻め込むと、最後はFW陣が力強く押し込んだ後、素早く展開してFB大西正遥選手が左中間にトライ。土壇場で18対17と再び1点差、ゴールが決まれば大逆転の場面をつくりました。
しかし、逆転を狙ったコンバージョンキックは、無情にも僅かにそれてノーサイド。劇的な幕切れで聖光学院が、悲願の花園初勝利を手にしました。
関西学院VS九州学院 スピードある攻撃でトライを重ねた関西学院が快勝
兵庫県予選で全国屈指の強豪校、報徳学園を破って花園への出場を果たした関西学院は、1回戦最後の試合となった第1グラウンドの第5試合に登場。熊本大会決勝で熊本西との激闘を制した九州学院と対戦しました。
速いテンポでボールを動かしたい関西学院と、ディフェンスでプレッシャーをかけながらロースコアの展開に持ち込みたい九州学院。前半は、実力校を相手に九州学院が健闘します。
序盤こそ高校日本代表候補にも選出されたHO黒田鉄二選手やPR根木健太郎の力強い突破に連続してトライを奪われますが、その後は粘り強くあきらめないディフェンスで関西学院のミスを誘って得点を許しません。
前半は関学にグラウンドを広く使う得意の形をつくらせず、さらに1トライを許しただけの19点のビハインドで折り返します。
しかしさすがは関西学院。ハーフタイムに西浦章博主将が「もう一度原点に戻って、自分たちが何をして勝ち上がってきたか共有してからグラウンドに入った」というように、全員が自分たちの強みを再確認してからピッチに立つと、すぐさま結果に結びつけます。
後半2分に持ち味のはやいテンポでボールを動かす形からWTB岸本結選手が追加点となるトライを奪うと、3分にはBK陣が自陣からしかけたスピード抜群の攻撃に全員が素早く反応して最後は右WTB田中智也選手がトライ。
29対0として勝負を決定づけました。その後も縦横無尽にスピードある攻撃でトライを重ねた関西学院、50対0の快勝で九州学院を下して2回戦進出です。
31年ぶりに花園への復活を果たした専大松戸は秋田工に敗北
28日の1回戦14試合の結果は下記に掲載。
近畿勢では光泉カトリック(滋賀)が16トライを奪う猛攻で山形中央(山形)に圧勝。
31年ぶりに花園への復活を果たした専大松戸(千葉)は、秋田工(秋田)相手に大接戦をみせるも、秋田工のエースCTB近藤龍之介選手の突破を止めきることができずにあと一歩及びませんでした。それでもキャプテンの鈴木翔太選手が「花園は憧れの場所、ここに来られたのは、自分だけの力じゃなくコーチや仲間が支えてくれたから、(敗れて)悔しい気持ちはあるが、前半も後半も全力でプレーできたし本当に楽しかった。ただみんなともっともっとプレーしたかった」と涙と共に足を引きずりながらグラウンドをあとにすると、詰めかけた観衆から暖かい拍手が送られていました。
30日(火)はシード校が登場。東海大大阪仰星VS佐賀工、常翔学園VS桐蔭学園、中部大春日丘VS大分東明など注目の強豪校同士が早くも激突する2回戦16試合が行われます。
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