元日恒例の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は、2026年に第70回大会を迎える。

 初出場を決めたのが、M&Aベストパートナーズ(MABPマーヴェリック)だ。25年春から活動を本格的に開始。11月の東日本実業団対抗駅伝で6位に入り、ニューイヤー駅伝の出場権をつかんだ。

 選手兼監督を務めるのは、神野大地(32)だ。2015年の第91回箱根駅伝5区で区間賞の快走を見せ、青山学院大の初優勝に貢献。「3代目山の神」と呼ばれた。

 他のメンバーも、大学時代は箱根駅伝に出場したことのある選手が目立つ。その一人が、東海大出身の鬼塚翔太(28)だ。

 3年だった19年の第95回箱根駅伝で1区を担当。18キロ過ぎ。神奈川県境の六郷橋の下りに差し掛かったところで、東洋大の西山和弥(現トヨタ自動車)にスパートをかけられた。

 だが、ここから粘った。鶴見中継所(横浜市鶴見区)ではトップの東洋大から8秒差の6位でタスキをつないだ。

 当時の東海大は有力選手が集い「黄金世代」と呼ばれていた。4区の館沢亨次(現SGホールディングス)で2位に浮上。往路を2位で終えると、翌日の復路8区で小松陽平が1時間3分49秒の区間新記録の快走で首位に。10時間52分09秒の大会新記録(当時)で初優勝を飾った。

 鬼塚は大学卒業後、実業団に進んだ。しかし、5年間で三つのチームを転々とし、疲れていた。「初心に戻りたい」。再びトレーニングの拠点を東海大に戻そうと考えていた。

 神野と出会ったのは、そのころだった。24年7月にMABPマーヴェリックに加入。今年の東日本実業団対抗駅伝では6区を走り、ニューイヤー駅伝出場に貢献した。

 箱根駅伝では優勝した第95回大会を含め、1区を3回担当した。ファンからは「また1区を見たい」と声をかけられる。

 鬼塚は「ファンの方の思いを胸に、ニューイヤー駅伝では1区を走りたい」と意気込む。

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