2026年最初のスポーツ日本一が決まるニューイヤー駅伝 in ぐんま(第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会。群馬県庁発着の7区間100km)。今季は大物新人が数多く走る。中でも吉田響(23、サンベルクス)と太田蒼生(23、GMOインターネットグループ)は箱根駅伝の実績から期待が高い。吉田は1年前の創価大4年時に、数多の名ランナーが走ってきた箱根駅伝2区の日本人最高タイム(歴代2位)を樹立した。太田は2年前の青学大3年時に、箱根駅伝3区の日本人最高タイム(歴代2位)を、4年時には4区の日本人最高タイム(歴代2位)をマークした。ニューイヤー駅伝でもチームの勝敗を左右する走りが期待できる2人は、どんなランナーなのだろうか。

■ニューイヤー駅伝(1月1日)の区間と距離、中継所
1区 12.3km 群馬県庁~高崎市役所
2区 21.9km 高崎市役所~伊勢崎市役所
3区 15.3km 伊勢崎市役所~三菱電機群馬工場
4区 7.6km 三菱電機群馬工場~太田市役所
5区 15.9km 太田市役所~桐生市役所
6区 11.4km 桐生市役所~伊勢崎市西久保町
7区 15.6km 伊勢崎市西久保町~群馬県庁

上りと下り&平地で筋肉を使い分ける吉田響

吉田は箱根駅伝2区に続き、東日本実業団駅伝でも最長区間の3区(16.4km)で区間2位と好走した。来年2~3月には「初マラソンで日本記録」を目標に掲げることからも、長い距離に適性があるランナーであるのは確かである。「ニューイヤー駅伝も2区の区間賞、区間新を目標に練習してきました」

左から篠原選手、吉田礼選手、鶴川選手

篠原と鶴川も、母校を拠点に大学時代の指導者の下でトレーニングを行っている。鶴川は4月に5000mで13分17秒64の自己新をマーク。5月に肉離れをして約4カ月走る練習ができなかったが、11月の八王子ロングディスタンス10000mは28分10秒34まで復調した。

吉田礼は山本と同様、実業団チーム(22&23年ニューイヤー駅伝優勝のHonda)の練習環境でトレーニングを積んでいる。11月3日の東日本実業団駅伝は最長区間の3区を任されたが、区間12位と期待に応えられなかった。しかし「腰が引けて、乗らない走り」になっていたことに気づき、「ジョグの質、補強の頻度」を見直すことで走りを修正。12月7日の甲佐10マイル(約16km)では46分12秒で6位と好走した。「1年目の選手だけでなく、実業団に入った以上実業団選手全員に負けたくありません。同期では篠原が同じ千葉県で高校からずっとライバルで仲も良い。篠原が結果を出すと刺激をもらっています」

ルーキー同士の戦いも興味深いが、強力ルーキーたちが先輩選手へどんな戦いを挑むかにも注目したい。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

*トップ写真は左から吉田響選手、太田選手

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