10月上旬、突然、編成の担当者から「新春にもう1つドラゴンズに関する特番作れないかな?」と相談があった。私はCBCテレビ入社18年目の40歳、スポーツ部で調整役となるデスクを担当している。この相談があったとき、こう思った。年末忙しくなるのかぁ…
いや、でもせっかくなら面白いものを作らないと。頭をひねる。ない引き出しをあけてみる。1個だけ入っていた。「2025年のベストプレーを選手たちに聞いて、ナンバーワンを決めよう!さらにベストプレーに挙げられた選手にはセルフ解説をしてもらおう!」
すぐに企画書を作って編成に送った。しかしその後、この番組を作ることが決まった、という連絡は来ない。このとき私はこう思った。年末はちょっとゆっくりできそうだなぁ…
1か月後 編成の担当者から連絡が…
そんな気持ちになっていた11月上旬。「やることが決まったから、正式に動き出してほしい」。編成の担当者から連絡があった。放送は2026年1月4日(日)。
「さて、年末も働くか」。そう思った私は、普段ドラゴンズの応援番組「サンデードラゴンズ」のディレクターをしている入社6年目、28歳の後輩に「一緒に特番やろうよ」と声をかけた。企画書をみせると2つ返事で「やりましょう」と言ってくれた。身内の話で恐縮だが、いい後輩だ。
数日後、その後輩から紙をもらった。「絶対、こっちの方が面白いと思うんですよね~」。
「何を言っとるんだね、君たちは」
後輩が持ってきた企画書を見て驚いた。タイトル(仮)が『これがベストプレー?何を言っとるんだね君たちは』になっている。「何を言っとるんだね」は、野球解説者・山田久志さんがよく口にする言葉だ。後輩が直接、私に言ってきたわけではない。
ただ伝わるものがある。「あなたの企画書は普通過ぎる」と。だから山田さんをスタジオにお招きして、我々の作ったVTRを見ていただき突っ込んでもらう、という内容になっていた。
イイじゃん。
という流れで今回の番組の大枠が決まった。そのあとはもうとにかく選手にインタビューだ。選手会ゴルフが行われている会場まで行った。ドラゴンズの皆さま、そんな場所でも快く取材に応じていただきありがとうございました。
ベストプレーに挙げられたのはファンの方なら記憶に新しいものばかり。そのなかでも上位に挙げられたプレーの選手には、そのシーンを見ながらセルフ解説もしてもらった。

一旦、小休止を挟み、若狭アナに巻きでの進行をお願いする。それでも勝手に盛り上がってしまうのだ。そこで出た山田さんの嬉しいお言葉「楽しいよ、こういうのは」。ゲストとはいえ、我々が作ったVTRを見る最初の視聴者である山田さんが楽しんでくださっていたのだ。
押しに押したスタジオ収録もギリギリ時間内に収まった。調整事を任されている私の役割はほぼ終わった。あとは後輩が上手に編集してくれれば絶対に面白い番組になる。タイトルは「JEMTC presents 燃えドラSP これがベストプレーでイイじゃん~何を言っとるんだね君たちは~」に決まった。忙しい年末になったけど最初の普通すぎる企画書、書いておいてよかった。
CBCテレビ「これがベストプレーでイイじゃん」プロデューサー T・W(スポーツ部)
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