繋ぎってなんですか?

「もっとこうさ、繋ぎをさ!いい番組にするための繋ぎをさ!分かる!?」
『つなぎ』というのはテレビ局でよく使われる言葉だ。一般的には『編集』のこと。

私は入社6年目の28歳、スポーツ番組のディレクターをしている。先ほどのお言葉は忘年会シーズン、お酒の入った上司からのありがた~いアドバイスだ。

それが本当に大切なことなのかどうか、は一旦置いといて、最近、番組作りにおける人の『繋がり』の大切さにハッと気が付いた。

「おもしろそうな特番、舞い込んでこないかなぁ。でも6年目の小僧に、そんな話があるわけないよなぁ」なんてことを思っていた11月上旬、よく飲みに連れて行ってくれるスポーツ部のデスク(40)から特番をやろうと話があった。

「ナイス!」と喜んだのも束の間。見せてきたA4の企画書が、普通だった。間違ってはいないし、成立もする。見応えもあるだろうし、芯を食った感じにもなる。

けれど、THEオーソドックス。「もっと工夫できそうだなぁ」。少し偉そうだが、まっさらなWordに企画書を書き始めた。

「もらい」ってなんですか?

新たに書いた企画書の内容をかいつまんで言うと「スタジオゲストがVTRを止めて突っ込む」というなんだか見覚えのあるヤツ。狙いは、予定不調和。自分が想像出来なかった事を巻き起こしてもらおうという魂胆だった。

これは後日、CBCテレビでドラマ制作を長らくやってきた人に教わった事だが、この手の手法を「もらい」と呼ぶらしい。

その「もらい」のためには、スタジオゲストの人選がカギを握る。なんて事は当時、気が付いていなかったが、ドラゴンズの選手に対して忖度なしで言える人。

そして、その正反対の立ち位置の人。また、その2人をさばける人。そんな人たちがいいなぁとぼんやり考えていたときに「降りて」きた。

これってサンデードラゴンズですか? いえ、オリジナルです

ここでも偉そうだが、出演者を選んだ。1人目は、ここには書ききれないほどの記録を持つレジェンド・山田久志さん。

2人目は、独特な世界観を持ち、優しさで溢れる英智さん。

そして3人目は、東海地方で放送されているドラゴンズの応援番組「サンデードラゴンズ」のMCを2024年まで務めていた若狭敬一アナウンサー。個性派3人だ。

「あれは山田にしかできない」

収録から約2週間後、会社にいらっしゃっていた山田久志さんにお会いした。「収録ありがとうございました。間もなく完成します」と感謝を伝えると、「あれは山田にしかできないな」と自画自賛。

決まって偉そうだが、この人を選んで本当に良かったと思えた。ちなみに番組のナレーションはサンデードラゴンズの前アシスタント・加藤愛アナウンサーにお願いした。メンバーは、少し前のサンデードラゴンズ、でも全然違う番組になった。

番組を作っていて毎回、本当に自分一人では作れないなぁ、と痛感する。だからこそ、どこまで自分の意見を反映させるか、その塩梅が難しいとも思う。

CBCテレビ「これがベストプレーでイイじゃん」ディレクター D・U(スポーツ部)

【関連記事】
▼「何を言っとるんだね君たちは」 後輩が40歳デスクに突きつけた企画書は… 野球解説者・山田久志氏の“口癖”がタイトルに

▼ドラゴンズブルーの血が騒ぎっぱなし 途中から記憶がなくなった収録… 若狭敬一アナウンサーが語る番組制作の舞台裏

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。