今週18日に広島で開催される全国男子駅伝。47都道府県が頂点を競うが、地元チームへの期待は格別だ。今回、新監督としてチームを率いるのが、松長信也氏である。この大会には、チームの中心選手としてこの大会にも出場した経験がある。郷土の期待を知り尽くすからこそ、若い選手の飛躍を願う。

声援は力になる。だからこそ

広島市西区から佐伯区に入ると、国道2号線は道幅が狭くなる。ランナーは沿道の声援を間近で耳にするようになる。25年前、選手時代の松長もそうだった。「ニューイヤー駅伝など大きな大会の経験もありましたが、この駅伝は特別でした。タスキをもらったときの歓声。しかも、地元ですから県名や名前が、ひっきりなしに聞こえています。凄く力になりましたが、耳が痛いくらいのボリュームでした」追う展開だった。若き日の松長は、張り切った。区間の序盤から、飛ばしていった。やはり、声援は力になった。「しかし、最終的には目標の順位に届きませんでした。序盤で飛ばしすぎました。気持ちは入っていましたが、終盤は、体がきつくなり、思うように前に行けませんでした。いかに、平常心が大事かと学ばされました」この経験は、実業団ランナーとして、松長の大きな財産になった。

ベクトルの向きを同じにするために

現役引退後の松長は、中電工のコーチや監督を歴任し、中国地区の雄である中国電力やマツダに方を並べるほどのチームに成長させた。社業に向き合いながら、チームをひとつにする手腕には全幅の信頼が寄せられる。それでも、中学・高校・一般の各年代が集う全国男子駅伝の監督は、独特の難しさもあるという。「中学生・高校生・一般ランナーをひとつにまとめることは、難しいことです。郷土のみなさまに、走りで勇気や感動をあたえることです。ここは一致しています。でも、これまで中学生に接することなんて、あまりなかったですから。岩本真弥(前監督)は、中学高校の教員の経験もありましたから、目配りや声かけも絶妙でした。生活面にも目を配っておられました」中学生や高校生にも向き合う経験は、松長のキャリアにも大きなプラス要素になりそうだ。

「うち(中電工)の選手も個性派揃いですから、こういったチームを束ねる経験は、大いに参考になります」この駅伝は、ランナーも強くする。指導者も、強くする。声援は、そのための、貴重な砥石となる。

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