アマチュアボクシングでは、アルジェリアの選手が、おととしの世界選手権で、男性ホルモンの一種、テストステロンの数値が高く、IBA=国際ボクシング協会から女子選手としての出場を認められなかったなか、去年のパリオリンピックでは、IOC=国際オリンピック委員会が出場を認め、この選手が金メダルを獲得し、性別をめぐる議論が起こりました。

こうした中、ボクシングの新たな統括団体、WB=ワールド・ボクシングは、設立後、初めて主催する9月の世界選手権を前に、選手の安全性を考慮するために、女子選手の遺伝子検査を義務化するよう7月に通達を出しました。

これを受けて日本ボクシング連盟は、28日に都内で会見し、JISS=国立スポーツ科学センターの専門家と協議し、検査を受ける必要性を説明し、不利益に関する同意書を作成した上で、この大会に出場する代表選手5人と補欠選手1人が、初めて遺伝子検査を受けたことを明らかにしました。

WBは、来年以降は男子選手の検査も義務化する予定だということです。

日本ボクシング連盟の仲間達也会長は「遺伝子情報は最も秘匿されるべき個人情報であるため、この検査を個人に要求することが倫理的に許されるのか不透明な状況ではある。ただ、スポーツの公平性、平等性、安全性を担保するために、どこかでラインを引くことは絶対に必要になるので、理解はしている」と話していました。

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