▼関西が「フィギュア王国」となった背景は?
イタリアで開催中のミラノ・コルティナオリンピック。フィギュアスケートでは、団体で銀、ペアの「りくりゅう」こと三浦璃来選手・木原龍一選手組が念願の金メダルを獲得したほか、女子シングルの坂本花織選手(銀)、中井亜美選手(銅)、男子の鍵山優真選手(銀)、佐藤駿選手(銅)と日本勢の快進撃が続いています。
かつては「中京(愛知県)」のイメージが強かったフィギュアスケート界ですが、今や「関西」が、世界を圧倒するフィギュア王国となっていることをご存知でしょうか。
今大会出場の日本代表選手 3分の1が関西出身

今大会の日本選手団12人のうち、実は3分の1にあたる4人が関西出身の選手です。
・坂本花織選手(兵庫県出身)女子シングル
・三浦璃来選手(兵庫県出身)ペア
・森口澄士選手(京都府出身)ペア
・森田真沙也選手(京都府出身)アイスダンス
過去を振り返っても、高橋大輔さん(岡山県出身・関西大学卒)、織田信成さん(大阪府出身・関西大学卒)、宮原知子さん(京都府出身・関西大学卒)、本田真凜さん(京都府出身)、紀平梨花さん(兵庫県出身)など、層の厚さは一目瞭然です。
伝説の少女・稲田悦子さんから続く歴史

なぜ、これほどまでに関西に有力選手が集まるのでしょうか。かつて世界で活躍したプロフィギュアスケーター・渡部絵美さんによると、その背景には、大阪が生んだ伝説の選手、稲田悦子さん(1924年生まれ)から続く長い歴史があります。
稲田さんは1936年、わずか12歳でガルミッシュ=パルテンキルヒェン・オリンピックに出場しました。大阪天満宮の近くで育った彼女は、当時の開催地でヒトラーから「あの小さな少女は何のためにここに来ているんだ」と驚かれ、握手を交わしたエピソードでも知られています。
帰国後、彼女が後進の育成に力を注いだことが、関西のスケート文化の土壌となりました。
「フィギュア留学」受け入れる環境と手厚い支援
さらに、現代の強さを支える二つの大きな要因があります。
ひとつは「関西大学」の存在です。国内でも珍しい自前のリンクを所有し、優秀な指導者が揃っていることから、全国からトップ選手が「フィギュア留学」に集まる拠点となっています。
もうひとつは、強力な支援を行っている民間企業です。住宅・不動産や介護・保育などを展開する「木下グループ」は、京都府宇治市にある「木下アカデミー京都アイスアリーナ」を練習拠点として活用しています。
もともとは京都府がつくった施設ですが、命名権(ネーミングライツ)を取得して、ほとんど貸し切り状態で「木下グループ」に所属する選手が練習に使用しています。
リンクの貸し切り代や海外生活費、そして衣装代などの金銭的な支援も手厚く行われています。今大会で金メダルを獲得した「りくりゅう」ペア(三浦選手・木原選手組)や、女子シングルで4位入賞を果たした千葉百音選手らも、木下グループによる支援を受けています。
伝統ある土壌、充実した施設、そして手厚い支援。これらが組み合わさり、関西を世界屈指の「フィギュア王国」へと押し上げているのです。
(2026年2月20日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)
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