2月21日、高校ラグビーの近畿大会は準決勝。決勝進出をかけて4強が激突しました。
大阪桐蔭vs東海大大阪仰星 「強みを出していければいい戦いができると思っていた」“大阪対決”の行方は?

第1試合は、ともに準々決勝まで圧倒的な強さで勝ち上がってきた大阪桐蔭と東海大大阪仰星の大阪対決。全国でもトップレベルの実力を有する両チーム。序盤から緊迫感ある攻防を展開します。
前半、先にチャンスをつかんだのは東海大大阪仰星。大阪桐蔭のペナルティーで敵陣深くまで攻め込むと、仰星らしくテンポよくボールをつなぎながら大阪桐蔭のトライエリアに迫ります。しかし、落ち着いてディフェンスラインを保ちながら、ポイントを見極めて接点で圧力をかけてくる大阪桐蔭の前に、なかなかチャンスをものにすることができません。
13分過ぎからは、大阪桐蔭を自陣深くに釘付けにして、トライラインまであとわずかというところまで迫りますが、大事なところでミスが出てチャンスを逃してしまいます。
一方、ピンチをしのいだ大阪桐蔭は、花園の全国大会でも活躍したFB吉川大惺選手の巧みなキックで敵陣深くまで攻め込むと、前半終了間際の29分、ラインアウトからのモールを一気に押し込んでHO金井琉晟選手がトライ。前半を5対0とリードして折り返します。
勝負の後半、勢いに乗って攻め込みたい大阪桐蔭。しかし今度は、東海大大阪仰星がディフェンスからの切り返しで鮮やかな得点をものにします。後半13分、センターライン付近でCTB前田航選手が強烈なタックルを見せて大阪桐蔭のボールがこぼれると、そのボールに素早く反応して上手く足に引っかけたWTB小池慶太郎選手が、そのままトライエリアでボールを押さえてトライ。ゴールも決めて7対5と逆転します。前年度の主将を務めた東佑太選手から伝統のキャップを受け継いだ前田選手。東選手を彷彿させるタックルで逆転劇に結びつけました。
5対7とこの試合初めてリードを許した大阪桐蔭、それでも選手たちは落ち着いていました。吉村大志主将が「仰星戦に対してしっかりと準備してきたので、自分たちの強みを出していければいい戦いができると思っていた」と振りかえったように、上手くキックを使って敵陣に攻め込んでいくと、18分には敵陣中央付近で東海大大阪仰星の反則を誘います。このチャンスに、吉川選手が約35mのPGに成功。8対7と再び試合をひっくり返しました。
これで勢いを取り戻した大阪桐蔭はさらに直後の19分、自陣からカウンター攻撃を仕掛けて東海大大阪仰星陣内に入り込むと、CTB竹之下暖仁選手がトライエリアに蹴り込んだボールをWTB上原健新選手が押さえてトライ。プレッシャーのかかるコンバージョンキックを吉川選手が見事に決めて15対7とし、勝負の流れを引き寄せました。
再逆転には、2チャンス以上が必要な東海大大阪仰星に対して、その後も落ち着いて敵陣で試合を進めた大阪桐蔭。試合終了間際にもPGで得点を加えて18対7。ライバルの東海大大阪仰星に快勝して決勝進出を果たしました。大会4連覇まであと1つです。
京都工学院vs報徳学園 「最後は、理屈じゃない部分の力を発揮」驚異の粘りを振り切り決勝進出

続く第2試合は、準々決勝で粘る関西学院を振り切った京都工学院と、常翔学園に鮮やかな逆転勝ちをおさめた報徳学園の対戦。実力拮抗の両チーム、序盤から一進一退の攻防を繰り広げます。
前半は、ともに固いディフェンスで0対0、サイドの変わった後半にようやく試合が動きます。先制したのは報徳学園。後半8分、前半から優位に立っていたスクラムを軸に、徐々に京都工学院を自陣深くまで押し込んでいくと、FW陣の執拗な連続攻撃から最後はLO清野遼太選手がトライ。ゴールも決めて7点をリードします。
しかし、京都工学院も直後に反撃。グラウンドを広く使いながら攻撃のスピードを上げて報徳のディフェンスを揺さぶっていくと、左サイドからSO小西稜晴選手が繰り出した左足のキックパスを右サイドでキャッチしたCTB森田亘瑛選手が中央に回り込んでトライ。ゴールも決めて7対7の同点に追いつきます。正確なキックの技術と“あうんの呼吸”が生んだ同点劇。京都工学院が見事な攻撃を見せ、報徳に傾きかけていた試合の流れを引き戻しました。
さらに京都工学院は19分、再びチャンスと見ると一気にスピードを上げて左右に仕掛けていく攻撃から、CTB森田選手がこの日2本目のトライ。森田選手が「(埼玉パナソニックワイルドナイツで活躍された)内田啓介先生にコーチしていただけるようになってから、より攻撃の幅が広がった」と語ったように、ここ1番での得点力を見せた京都工学院が28分にもPGで得点を加えて15対7。8点差として勝負は決したかと思われました。
しかし、ここから報徳学園が驚異の粘りを見せます。刻々と試合終了の時間が近づく中、ミスなくボールを継続して自陣から攻め込んでいくと、ロスタイムに突入した30分には、残り時間がわずかに残っていることを確認した上でトライを狙わずPGを選択。後半途中から出場した木田健琉選手が見事に決めて、15対10と5点差に詰め寄ります。
わずかに残った時間にかけて自陣の深い位置から攻撃を継続していく報徳学園。京都工学院も懸命のディフェンスを見せますが、なかなか報徳の攻撃を止めきることができません。ついに、報徳が京都工学院陣内まで攻め込みます。
しかし、ここは最後の最後で京都工学院が踏ん張りました。田中琉翔主将が「(最後は)メチャクチャしんどかったが、絶対に守り切ると思っていた。伏見プライドです」と語ったように、最後まで全員が連動したディフェンスで得点を許しませんでした。最後は報徳学園の反則を誘ってついにノーサイド。京都工学院が粘る報徳学園を振り切り、見事に決勝進出を果たしました。「最後は、理屈じゃない部分の力を発揮してくれた」と大島淳史監督が締めくくった京都工学院。目標とする近畿制覇まであと1つに迫りました。
常翔学園vs関西学院 「ラスト1本のランパス練習の成果が出た」最後の最後まで目が離せない大激戦

準決勝の後、同じ宝ヶ池球技場で行われた選抜大会の出場権をかけた代表決定戦も、2試合ともに熱い試合になりました。
第1試合、前半リードを許した御所実(奈良)が、後半から期待を寄せる1年生を投入して逆転。粘る光泉カトリック(滋賀)を振り切る中、続く第2試合の常翔学園と関西学院の対決は、最後の最後まで目が離せない大激戦となりました。
試合は、前半に関西学院が5対0とリードするも、後半に入ると常翔学園が底力を見せてすぐさま逆転。後半1分、山本智輝主将のトライから勢いに乗ると、21分にもCTB北風凰介選手のトライで得点を加えて14対5。その後も、追加点を狙って関西学院陣内深くまで攻め込んでいきます。
しかし、ここから関西学院が驚異の粘りを見せます。トライラインを背にしたピンチをしのいで逆襲に転じると、25分には自陣からの一気にカウンター攻撃を見せ、CTB鈴木大裕主将がトライ。ゴールも決めて14対12と2点差に詰め寄ると、疲れから足が止まり始めた常翔学園に対して、しぶとく攻撃を継続しながら攻め込んでいきます。
しかし、前半から常翔学園の強烈な当たりを受け止めていた関西学院にも、決めきるだけの力は残っていませんでした。最後は、攻撃のスピードを上げる関学らしいアタックを仕掛けることができずにノーサイド。山本智輝主将が「関学さんは本当に強かった。最後は、常翔が昔からやっている苦しい中でラスト1本のランパス練習の成果が出た。チームみんなの結束力の勝利です」と話した常翔学園、苦しみながらも選抜大会への出場権獲得です。
高校ラグビー近畿大会結果 2月21日
▼準決勝
大阪桐蔭 18-7 東海大大阪仰星
京都工学院 15―10 報徳学園
▼選抜大会代表決定戦
御所実 36-18 光泉カトリック
常翔学園 14-12 関西学院
(御所実・常翔学園は選抜大会への出場権を獲得)
2月23日(月・祝)に行われる決勝戦は、近畿大会4連覇を狙う大阪桐蔭と地元開催での優勝を狙う京都工学院の対決となりました。
大阪桐蔭 対 京都工学院
午後0時40分キックオフ 宝ヶ池球技場
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