フィギュアスケートで二つのメダルを手にした坂本花織(シスメックス)が、22日の閉会式で日本選手団の旗手を務め、スピードスケートの森重航とともに一緒に旗を振りながら登場した。笑いながら、会場の円形闘技場を見渡していた。

 「お笑いキャラと呼ばれている」と自身のことを語ったのは、1月にあった結団式。旗手代行としてあいさつだった。

 実際、周囲は坂本のことを「いつも目の前の人をどう笑わせるかを考えている」。

 だから、初対面の人と話した後は疲れてしまう。その人の「笑いのツボ」を探るのにエネルギーを使うのだという。

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 かつて、日本の女子代表はそれぞれの選手が独立独歩だった。今はどこでも和気あいあい。あるコーチは「空気を変えたのは坂本さん」と語る。

 今大会、日本スケート連盟の竹内洋輔フィギュア強化部長は「個人戦も団体戦のように戦っていた」と振り返った。

 日本チームは史上最多のメダル6個を獲得。のびのびと演じられる空気がチーム内にあったことも一因に違いない。若手選手は「楽しかった」と口をそろえた。

 坂本がつくり出す空気は世界に広がる。国際大会終了後、スマートフォンで集合写真を撮るのは坂本の役割だ。21日のエキシビション後も、もちろん坂本が自撮りを仕切った。

 2022年から世界選手権を3連覇した後、昨春の世界選手権は2位で、今大会も金メダルには届かなかった。それでも、エキシビションの際は「クイーン」と紹介された。坂本は誰もが認めるフィギュア界のリーダーの1人だった。

 北京五輪でのメダル獲得の達成感をもう一度味わいたい。だから、現役を続けてきた。今季限りの引退を昨年6月に表明し、銀メダルを二つ。「未練はない。21年間やりきった」

 太陽のような明るさのまま、坂本は五輪に別れを告げる。

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