ミラノ・コルティナ冬季オリンピック(五輪)で、フィギュアスケートの日本ペアとして初めてとなる金メダルを獲得した「りくりゅう」こと、三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が25日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見をした。2人や司会者のやりとりで、会場は何度も笑い声が響き合う和やかな空間になった。
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まず聞かれたのが、これまでも何度も質問を受けてきた、ショートプログラム(SP)からの立ち直りについてだった。
木原が、「泣いた」という言葉を口にする度に笑いが起きた。
木原 「SP後、バスに乗って宿舎に帰るまで、正直その中ではすごく落ち込んでいたんですけれども、その中で2人でちょっと振り返っていくうちに、ここで落ち込んでいる場合じゃないな、というふうに思ったので。『明日は絶対160点近くを出して2人で勝とう』っていうことを急に僕が言い出して。言い出してっていうのも、変なんですけど。とにかくそこで一度、空元気じゃないですけど、バスの中にトレーナーの方や連盟の方がいたので、『あともう1日よろしくお願いします』ということをまずお話しさせていただいたんです。けれども、またその後ちょっと悲しくなってしまいました。また泣いていたんですけど、また朝起きて泣いてしまって、朝食を食べながら、なぜか理由もわからないんですけど、ホウレン草を食べながらまた泣いて。公式練習のウォーミングアップに行って、また理由もわからず泣いてしまって。途中で正直自分がなんで泣いているのかわからない状態に陥ってしまって。こういった状態が続くっていうのは僕の現役生活の中では一切なかったので、本当に自分自身でも何が起きているかわからない状態。ただ悲しくて、何なんだろうっていう涙が続いていて」
「その中でもやはりパートナーの三浦選手、璃来ちゃん、ここでは璃来ちゃんとちょっと呼ばせていただきたいんですけども。璃来ちゃんがやっぱり自分たちがやってきたことは絶対あるから、絶対大丈夫、まだ試合は終わっていないっていうふうに強く何度も僕に話しかけてくれて。やっぱりそれが一つの大きな立ち直れたことだったと思います」
「僕が使うジップロックに璃来ちゃんが内緒でメッセージを書いてくれて。僕のスーツケースを開けた時に、そのジップロックにも『私たちなら絶対できる。やってきたことがあるから』というふうにメッセージを書いてくれていて。またそれを見て泣いていたんですけども。でもその涙を最後に、もう顔を洗って、この弱い自分は全部流して、『今自分は立ち直った、ここからもう一度勝ちに行くんだ』っていう気持ちを持って、本当に試合直前のウォーミングアップには臨みました」
忘れたバックパックの中には
互いの強みと弱みについての質問を受けたとき、木原はすでに有名になった三浦の忘れっぽさに触れた。
木原 「2人はやはり信頼関係がすごく強いのかなっていうふうに思いますし、やっぱり自分たちで言うのもなんですけど、他のチームの方よりも圧倒的に仲がいいのかなっていうのは見てて(笑)」
「弱点ですけど……。忘れ物が多い。昨日は空港で荷物を受け取った後に自分のバックパックを忘れて入国審査を通過しちゃったんです」
そこで三浦が、「その中にメダル入っていました」と言うと、会場は「えーっ」という声と共に笑いが巻き起こった。さらに木原が冗談っぽく続けた。
木原 「(それくらいの忘れ物は)日常です。逆に今回のオリンピックは璃来ちゃんがものすごく忘れ物が多かったので、忘れ物が多い時っていうのは璃来ちゃんがすごくスケートにフォーカスしている時なので、すごく良かった原因も璃来ちゃんの忘れ物のおかげなのかなっていうふうに思います」
真面目な分、背負い込みやすい
三浦は、木原の強みと弱みをこう話した。
三浦 「龍一くんの強みっていうのは本当にたくさんあって、選びきれないんですけど。やっぱり一番は本当に優しくて真面目で。本当に心からの言葉を、内に秘めるんじゃなくて、必ず話してくれる。そういったところが強みかなって思うのと。弱点というか、それは本当に真面目な分、背負い込みやすい」
木原が「ちょっと真面目すぎて、やっぱり」と口を挟んだところで、すかさず三浦は「自分で言う?」と突っ込みを入れた。
三浦が「重く受け止めてしまうところがある。それをコーチ陣とかがサポートして、うまくいくよね」と続けると、木原は「そうです」と認め、そこでまた笑いが起きた。
手をつないで滑れば、ペア
日本をペア大国に、という思いについても質問が及んだ。
三浦 「そういったお言葉をいただけて、本当に私たちはそれを目標にやってきていたので、うれしいです。やっぱり興味を持っていただくこと自体、本当に難しかったので、なんだろうな、私たちがその場を設けられるようになれればなというふうに心から思っています。あとは本当にけががないように、ペアにトライしてほしいなと思っています」
木原 「少しでもペアに興味を持っていただけたなら、とにかく挑戦していただきたいなと。難しく考えずに。『身長が高いから私できないや』『私ちっちゃいからできないや』じゃなくて、とにかく、もし少しでもペアに興味を持っていただけたら、近くにいる子と、手をつないで滑るだけでもペアになるので」
木原はさらに、「少しでも興味を持っていただけたら、璃来ちゃんに電話してください」とアピール。すると三浦が大笑いし、会場は拍手に包まれた。
ご褒美として2人で何かやってみたいことがあるかを聞かれたとき、すぐには答えが出なかった。木原は「休息が」と言いかけて、「璃来ちゃんとキャッチボール」と口にした。
そこでは司会者が「もうすぐWBC(ワールドベースボールクラシック)ですからね」と切り返した。
そして会見の締めくくりは、金メダルだけを首にかけている2人を見た司会者のこの言葉だった。
「璃来さん、Don’t forget your silvermedal(銀メダル忘れないでね)」
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