夏の甲子園優勝に沸いた「沖尚フィーバー」。県内で巻き起こった様々な現象や裏側にあった出来事を振り返りながら、気になる経済効果についても専門家に話を聞きました。
片野達朗アナウンサー
「侍ジャパンU18の壮行試合、今年の夏、沖縄尚学が甲子園優勝したこともあって、沖縄県高校選抜とのゲーム、多くの方が球場につめかけています」
優勝の立役者、沖尚のダブルエースの投げ合いとなった侍ジャパンU18と沖縄県高校選抜との壮行試合には2014年の日米野球の試合を超える1万7969人もの観客が集まりました。

下地麗子キャスター
「外野席の外にもブルーシートをしいて、その熱戦を体感している人がいるようです。このスタジアムの外にいる人たちは果たして試合は見えているのでしょうか」
甲子園優勝に沸く沖尚フィーバーはデータでも明らかになりました。甲子園の決勝の時間帯、県内の幹線道路の交通量は前の週などと比較して最大で25.5%減少(県警の調べ)
また県内の主要交差点では最大40.4%(浦添市城間)の人流が減少した一方
パブリックビューイングが行われたイオンモール沖縄ライカムでは最大で36.6%の人流が増加したことが沖縄セルラー電話の調べで判明しました。

「県民の“甲子園愛”が街の風景を変える」と語った沖縄セルラーの担当者は、調査のきっかけとなった一枚の写真を紹介しています。準決勝の時、“人も車も消えた”会社前の様子をXに投稿すると102万回もの閲覧数となりました。
SNSでも高い注目を集める中、RBC NEWSのYouTubeチャンネルで最も視聴された沖尚関連の話題は、JTAが決勝を前に臨時便を出したニュース、19万回以上再生されています。
搭乗する客(8月22日)
「チケットは、もう朝10時に、会社の皆でガタガタガターってやって取って、帰りは鹿児島経由です」
臨時便の準備は、沖尚が準々決勝に勝利した先月19日から、具体的に進められていたといいます。
JTA 路線事業部 金城圭吾キャビンリーダー
「通常こういう増便とか臨時便になると、もう少し前もって準備ができるんですね。今回に関してはもう準々決勝に勝利してから、中一日でどんどん試合が進んでいくので、それに向けてこの数日での調整となったのは、かなりタイトなスケジュールでした」
決勝当日は臨時便運航のため、空港は開館時間を1時間早めて午前5時にオープン。
那覇空港ビルディングなど関係機関の協力もあって、今回の運航が実現したといいます。

JTA 路線事業部 金城圭吾キャビンリーダー
「通常ではここまでのスピード感はなかなか難しいところはあるので、本当に関係各所の協力があってこそできた臨時便だなと思います。何よりもうちなーの翼として、県民の方の期待にお応えできたのが嬉しかったです」優勝を記念し各地で記念セールが行われるなどまだまだ続く沖尚フィーバー。県内にもたらす経済効果はどれほどになるのか…
県内の経済動向を分析するブルームーンパートナーズの伊波代表は、まだ基礎データがなく推計は難しいと前置きした上で、過去の事例を参考にこう語りました。
ブルームーンパートナーズ 伊波貢代表(ちなみに沖尚出身)
「2022年の仙台育英高校の経済効果が160億円と言われています。あるいは2018年の金足農業さんの経済効果が104億円とかという数字がありまして、それで比べるとおそらく沖縄の場合はさらに数倍。甲子園にかける思いというのが多分、他の県に比べてかなり強いので、容易に数倍の経済効果があるだろうというふうに見ています」

甲子園に足を運んだ人たちの消費活動はもちろん、メディアの広告収入など、その波及効果は他県以上になると分析する伊波代表はお金だけでは換算できない価値があったと語ります。
ブルームーンパートナーズ 伊波貢代表(沖尚出身)
「何よりも沖縄県民としてのプライド醸成があったと思うので、無形の財産ですね。沖縄県民としての誇りみたいなものを生み出してくれると思うんで、その効果は多分計り知れないものだと思います」
球児たちの熱闘が沖縄全土を元気にした夏。その奮闘はプライスレスな価値を県民にもたらしてくれました。
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