バレーボールの世界一決定戦、“世界バレー”で日本時間7日に行われるブラジル(世界ランク2位)との3位決定戦に挑む女子日本代表(同5位)。準決勝でトルコ(同3位)に敗れ、47年ぶりの決勝進出こそ逃したが、メダルを獲得すれば2010年の銅メダル以来15年ぶりとなる。トルコ戦の試合の解説を務めた元日本代表で、銅メダルを獲得した当時のメンバー荒木絵里香さん(41)にトルコ戦の振り返りと3位決定戦の見どころを聞いた。※世界ランキングは日本戦終了後
初田啓介TBSアナウンサー:
残念ながら決勝進出はなりませんでした。本当に残念です。
荒木さん:
もう悔しいですちょっとまだ。
初田アナ:
ちょっとね、体の力が何か抜けてしまって芯がなくなってしまったというか。
荒木さん:
なんかもう選手の涙とか見てると、もう本当にどれだけここに思いを込めてやってきたのか、この試合でどんな思いで戦ってきたのかっていうのを言っててぐっときますね。
初田アナ:
ですね。ちょっともらい泣きしそうになったりしちゃいましたが。ただ、チャンスはチャンスだったんですね。
荒木さん:
いやもう本当に4セット目、24対22で。
初田アナ:2点ありましたから。
荒木さん:そこからやっぱりトルコのやっぱ底力でしたね。
初田アナ:あの底力はどこから出てきていたんでしょうか?
荒木さん:
決定力が高い選手が多いですよね。ここに託せば決めてくれるっていう選手がやっぱり最後まで複数人いたっていうところ。
初田アナ:なるほど。
荒木さん:
でも日本も頑張りました。本当に最後の和田(由紀子)選手の連続サービスエースであったり、石川(真佑)キャプテンの苦しいときにグッと流れを引き戻すプレーっていうのは、素晴らしかったですよね。
初田アナ:
それから、またマッチポイントを握られた25対24になったところでの佐藤(淑乃)選手のスパイク。あれで同点に追いつきました。よかったですよね。
荒木さん:
チームとしても全員で戦う姿勢っていうのは、やっぱり次の3位決定戦に向けて今切り替えるのは難しいかもしれないんですけど、一晩でぐっと切り替えてきてほしいですね。
初田アナ:
ここでですね、3位決定戦を2度経験されている荒木さんに、この準決勝で敗れた後の3位決定戦に向けて、どのようにメンタリティを保てばいいのか、切り替えればいいのかというところをちょっとお伺いしたいんですけれども。
荒木さん:
本当にこういう紙一重の試合を逃した後って、すぐ切り替わらない、正直。
初田アナ:
思い起こせばですね、あの2010年の前回の世界バレーで銅メダルを取ったとき。この時、ブラジルが準決勝の相手だったじゃないですか。第1セット第2セットと連取したんですよね。いけるかもって思いますよね、あのブラジルに。もうすごいメンバーだったじゃないですか。シェイラがいてね。そのブラジル相手に2セット連取して、これはもう大金星だ。勝てるかもっていうところから敗れてしまった。察するに大変なショックだったんじゃないかと思います。
荒木さん:
もう本当に少し時間が必要でした正直。でもやっぱ一晩寝て、次の日の朝またミーティング、練習ってやっていく中で、絶対にメダルを取るんだっていうふうな切り替えるタイミングが多分選手それぞれ違うと思うんですね。多分すぐ切り替えれる子もいれば、ちょっと時間がかかる選手もいると思うので、それぞれタイミングは違うと思うんですけど、明日の3位決定戦のコートに立つまでに必ずみんなもう1回気持ちを切り替えて立ってくれると思うのでそこはひとつになって、もう1回ギュッと一体感を持って戦って欲しいです!
初田アナ:
どうしても「あの時ああできていたら」とかそういうことがね、頭の中で出ちゃうもんですよね。
荒木さん:
布団に入ると、もう頭ん中でぐるぐる回ってしまうことが。
初田アナ:
そうでしたか。2010年。でもすごかったじゃないですか、切り替えて翌日アメリカ戦でも見事な試合でしたけど。
荒木さん:
木村沙織に聞きたいですね。今ね、どうだったか。彼女がエースで、チームをぐっと引っ張ってくれていたので。切り替えるタイミングがやっぱりそれぞれあったと思うんですよね。
初田アナ:
そうですね。もう一つ、今度は(2012年)ロンドンオリンピックですよ。ロンドンのときも準決勝に進みました。これまたちょっと負け方が違ったと思うんですけど、ロンドンのときは。
荒木さん:
そうですね、もう3-0のスコアで負けてしまったので。あの試合のあとは逆にすぐ、終わった瞬間に切り替えることができました。
初田アナ:
圧倒的に敗れてしまったときというのは割と切り替えが早い。
荒木さん:そうですね。はい。
初田アナ:
確かに以前、木村さんに伺ったときに、「試合が終わった瞬間もう次のことしか考えてなかった」って言ってましたね。
荒木さん:
ここから次、勝てばメダルが取れるので。もう銅メダルを持って帰るんだっていう気持ちに切り替えて、もう1回集中して。チームの雰囲気がいいんで。ひとつになって戦ってほしいですね。
初田アナ:
そうですね。バンコクからもう明日(7日)で世界バレー(女子大会)は全部終わりますから。メダルを持って飛行機に乗るんだという気持ちですかね。
荒木さん:
バンコクでやってるんですけど、会場はなんかもう日本でやってるのか、というぐらいの。
初田アナ:日の丸、多かったですね。
荒木さん:
声援もすごいですよね。ホームの感じもあるので、その声援もエネルギーにして、戦ってほしいです。今、日本チームはいい流れもあると思うので、銅メダルを取って帰ってきて欲しいです。
初田アナ:
荒木さんたち以来の、2010年以来の15年ぶりのメダルはなるか。ぜひ、日本のメダル獲得の瞬間を一緒に見届けていただきましょう。
荒木さん:応援しましょう。
初田アナ:今日は残念でしたが、ありがとうございました。
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