カーリングのミラノ・コルティナ五輪最終予選の代表決定戦は14日、北海道の稚内市みどりスポーツパークで最終日があり、女子はフォルティウスがSC軽井沢クを破り、代表の座をつかんだ。
今大会は1次リーグの対戦成績も含めた3戦先勝方式で、フォルティウスは1勝2敗で迎えた決勝第2戦で7―6、第3戦は6―5で2連勝し、逆転した。12月にカナダである五輪最終予選で8チーム中2位までに入れば、そのまま五輪代表に内定する。
北京五輪の代表を逃した4年前からずっと思い描いてきた一投だった。
5―5で迎えた最終第10エンド。フォルティウスのスキップ吉村紗也香のラストショットが手から離れる。コールをする小谷優奈は「お願い、お願い! 」。
あとは祈るばかりの状況で、相手の石より数センチだけ円心を捉えた。涙をいっぱいにためた吉村は、仲間と肩を組んで喜びを分かち合った。「開放感と、うれしさと。この瞬間を待ちわびていた」
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4年前、今回と同じ稚内で行われた代表決定戦で、ロコ・ソラーレに2連勝の後に3連敗を喫した。五輪切符を逃したチームはスポンサー契約を打ち切られ、存続の危機に瀕(ひん)した。それでも選手自らスポンサー集めに走り回るなど、再び五輪を目指した。
不屈の精神を支えたのが、2023年の「ワールド・ベースボール・クラシック」で野球日本代表のヘッドコーチを務めた白井一幸さんだ。メンタルコーチとして、失敗や成功に一喜一憂せず、今やるべきことに集中する意識を刻み込んだ。
今大会の1次リーグでいきなり2連敗し、後が無くなった。そこから2連勝して持ち込んだタイブレークでロコ・ソラーレを破ると、決勝も崖っぷちからの2連勝で代表の座をつかみとった。
自身5度目の挑戦で最も五輪に近づいた吉村は「4年間かけて積み上げてきたものが出せた」。
フォルティウスはラテン語で「より強く」を意味する。諦めない心が、またチームを強くした。
SC軽井沢クのスキップ上野美優 「目の前の勝ちをつかみきれなかった悔しさはあるが、大成長できた。自分たちを誇りに思う」
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